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【シドニー駐在員 藤島 博康 8月5日発】豪州フィードロット協会(ALFA) は、7月30日、四半期ごとのフィードロット飼養頭数調査を公表した。これによ ると、99年6月30日時点の飼養頭数は、前年同期より11%と大幅に増加した。 飼養頭数は、飼料価格の安値を背景に、日本向けを中心とした輸出の回復と堅調な 国内需要に支えられ、97年からほぼ一貫して拡大傾向にある。今回6月末時点の 飼養頭数は、過去最高だった前回3月末時点を約3万頭上回る58万8百頭に上っ た。 (単位:頭)
3月末 | 6月末 | 9月末予測 | |
NSW VIC QLD SA WA |
193,069 36,821 254,170 40,314 26,329 |
198,513 39,569 274,571 42,224 25,923 |
202,444 35,355 259,768 41,250 18,592 |
合計 | 550,703 | 580,800 | 557,409 |
日本向け 韓国向け 他輸出 国内向け |
318,232 5,343 10,699 211,864 |
356,055 6,496 9,641 206,975 |
375,158 2,360 11,628 167,039 |
豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、全体の6割前後を占める日本向 け飼養頭数が底を打ち回復基調にあることが頭数増加の大きな要因になったとして いる。99年6月末時点の日本向け飼養頭数は、前年同期より15%もの増加を示 した。 また、韓国向け飼養頭数は、前年同期に比べ68%と大幅に増加。先の混乱から の韓国経済の回復に応じて、冷え込んでいた牛肉消費量も過去12ヵ月間、順調に 増加していることを反映し、豪州からの穀物肥育牛の輸出も拡大傾向にあるようだ。 国内市場向け飼養頭数も前年同期よりも16%増加しており、堅調な国内需要を示 すように依然高水準にある。 州別に見ると、ビクトリア(VIC)州では前年同期よりも5%の減少、ニュー サウスウェールズ(NSW)州では同1%増加した。これらの南東部地域では放牧 からの切り替えで、例年、冬場にフィードロットへの導入水準が高くなるが、今年 は穏やかな冬を反映してか、豪州全体の増加率を大きく下回った。 これに対し、サウスオーストラリア(SA)州とウェスタンオーストラリア(W A)州は、前年同期よりもそれぞれ、57%、33%と大幅に増加した。また、全 体の5割近くを占めるクインズランド(QLD)州でも、前年同期より15%と高 い伸びを示した。 次回9月末の飼養頭数に関して、ALFAでは、素牛供給の減少と、春先には平 年以上の草地コンディションが見込まれ南部での放牧が進むとして、今回6月末時 点よりも約4%の減少と予測している。
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