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【シドニー駐在員 藤島 博康 11月30日発】このほど、豪州フィードロット 協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)による四半期ごとのフィ ードロット飼養頭数調査が公表された。これによると、99年9月30日時点の飼 養頭数は、季節的な要因から前回6月時点より減少したものの、前年同期比では2 2%増と、依然として高水準を保った。
(単位:頭)
9月末 |
6月末 前年同期 |
||
NSW州 |
201,345 |
198,513 |
155,122 |
VIC |
20,128 |
39,569 |
21,193 |
QLD |
281,228 |
274,571 |
245,305 |
SA |
34,514 |
42,224 |
24,119 |
WA |
16,138 |
25,923 |
9,073 |
合計 |
553,353 |
580,800 |
454,812 |
日本向け |
348,857 |
356,055 |
278,770 |
韓国向け |
10,411 |
6,496 |
4,841 |
他輸出 |
4,537 |
9,641 |
10,017 |
国内向け |
187,602 |
206,975 |
157,969 |
州別に見ると、ビクトリア(VIC)州やサウスオーストラリア(SA)州など の南部地域では、夏場の放牧シーズンを控え、前回6月時点よりも大幅に減少した。 また、ウェスタンオーストラリア(WA)州も、同様な減少を見せた。 しかし、前年同期との比較では、唯一VIC州が5%減少したのを除き、各州と もに2ケタ以上の伸びを示しており、飼養頭数は依然として高水準にある。 全飼養頭数の約5割を占めるクインズランド(QLD)州、同3割以上を占める ニューサウスウェールズ(NSW)州では、6月末時点との比較でも、それぞれ1 %、2%とわずかながらも増加した。日本向け輸出の回復を背景に、両州の頭数は、 ここ2、3年の規模から見ても、かなりの高水準にある。 一方、出荷仕向け先別で目立った動きを示したのは、韓国向けで、前回6月末よ り6割以上、前年同期より2倍以上に増加し、ほぼ4年ぶりに1万頭台に回復した。 豪州国内向けは、前回6月末時点よりも9%減少したものの、前年同期よりは19 %増加しており、比較的安定的に推移している。現在、MLAによって食味の斉一 性に力点を置いた消費者向けの格付制度が推進されていることなどを背景に、昨年 あたりから小売店舗でも穀物肥育をベースとした銘柄牛肉が見受けられるようにな るなど、国内市場での穀物牛肉需要のすそ野は着実に広がりつつあるようだ。 ALFAのハート会長によると、次回12月31日時点の頭数に関しては、現在 の肥育素牛価格の値上がり基調が抑制要因となるものの、主要穀物生産地域での予 想外の降雨による規格外穀物の増加から飼料価格の値下がりが予想され、素牛の値 上がり分はある程度、相殺されると見込まれている。また一方で、豪ドルに対して 円高傾向で推移している現在の為替相場は、短期的には豪州フィードロット業界に とって、追い風になるとしている。
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