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アルゼンチン、99年牛肉輸入量は従来水準に



【ブエノスアイレス駐在員 浅木 仁志 11月18日発】アルゼンチンはこのところ牛肉生産が
好調で、98年に高騰した去勢牛生体価格も従来の水準に戻り、したがって輸出も伸び、
98年と状況は異なっている。

 こうした中、アルゼンチンの牛肉輸入(製品ベース)は、99年1〜9月で前年同期
比62%減の9千3百トンに減少し、おおむね96年、97年の水準に落ち着きそうだ。
昨年に比べ輸入量が激減したが、同国の牛肉の輸出入量は国内の去勢牛価格に影響され
るので、98年の価格高騰が収まったことにより、従来の水準に戻ったと言える。


      輸出国別・製品別牛肉輸入量及び輸入金額
         (99年1〜9月の合計)
 国別輸入量(製品ベース、トン)	 
国 名 牛 肉 内 臓 加工品 合 計
ウルグアイ 6,230       5 1,019 7,344
米国      0   1,235 1,235
   パラグアイ   451     15   466
   ブラジル   180   180
NZ   120      0   120
7,071 1,255 1,019 9,345

 

 国別輸入金額(輸出国FOB価格、千米ドル)
国 名 牛 肉 内 臓 加工品 合 計
ウルグアイ   9,293      4 2,089 11,386
米国        0 2,249 2,249
   パラグアイ     717     11   728
   ブラジル     401   401
NZ     256      0   256
10,667 2,265 2,089 15,021
資料:アルゼンチン農牧水産食糧庁
注:数字の0は1トン未満。−は実績なしを表す。


  99年1月から9月までの輸入量合計(製品ベース)は、牛肉7,071トン、内臓
1,255トン、加工品1,019トンの計9,345トンである(表参照)。

 牛肉(99年9月は約7割がチルドで輸入)の大宗は隣国のウルグアイから入ってお
り、その約半分はアサードと呼ばれる炭火網焼き用の「ともばら」の部位である。牛肉
は、ほとんどがテーブルミートに仕向けられるようで、ニュージーランド(NZ)から
も120トン輸入されている。

 内臓はほとんど米国から輸入されており、中身はアサードとともに当地の焼き肉料理
の珍味として知られるモジハ(胸腺もしくは甲状腺)である。

 加工品はほとんどが加熱処理済みの半加工品として輸入され、輸入元の食肉処理加工
業者が最終加工してスーパーなどに出荷する。

 なお、輸入元の食肉処理加工業者を見ると、クイックフード社が量、金額とも全体の
約30%を占めてトップである。同社は輸出業者としても業界第5位(輸出量・額ベー
ス:98年)で、国内のほか、ウルグアイにも工場を所有している。




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