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ノースカロライナ州、台風により家畜に被害



【デンバー 本郷 秀毅 9月30日発】9月中旬、米東海岸を襲った台風(ハリケー
ン・フロイド)は、ノースカロライナ州東部を中心に大きな被害をもたらした。と
りわけ、9月16日までの2日間で20インチ(5百ミリメートル)以上の降雨を
記録したことから、同地域を中心に洪水などの大災害をもたらした。

 9月30日までにまとめられたノースカロライナ州の被害状況の速報値によれば、
今回のハリケーンによる家畜の死亡頭数および被害額は、豚が3万5百頭で189
万ドル(1億9千8百万円:1ドル=105円)、鶏が約211万羽で358万ドル
(3億7千6百万円)、七面鳥が74万羽で701万ドル(7億3千6百万円)、
牛が880頭で37万ドル(3千9百万円)となっている。

 このほか、作物部門の被害は、面積で229万エーカー、被害額にして4億9千
4百万ドル(519億円)に及ぶ。これらに農場施設の被害額2億1千2百万ドル
(223億円)を加えれば、現時点での被害額は7億1千9百万ドル(755億円)
に上る。ノースカロライナ州農務部によれば、最終的な被害額は10億ドル(1千
50億円)を超えるものとみられている。

 このような被害に対して、米農務省(USDA)は9月17日、ハリケーン・フロ
イドによってもたらされた損害の調査と復旧努力を支援するため、自然資源保全局
(NRCS)局長をノースカロライナ州に派遣するとともに、ジョージア州アトラン
タに災害調整センターを設置し、被害の調査とその復旧を支援することとした。

 また、当面の支援対策として、@農家の復旧努力を低利融資により支援する緊急農
家融資事業、A花き、観賞用苗木、芝生などの連邦作物保険制度対象外作物に適用さ
れる被保険作物災害支援事業(NAP)、Bハリケーン被害による残骸の除去、牧柵
の再構築などを支援する緊急保全事業が利用可能であることを発表した。

 さらに、USDAは24日、ハリケーンによってもたらされた洪水により腐敗した
豚や鶏が水質を汚染するのを防止するため、これらの除去に対して5百万ドル(5億
2千5百万円)の予算を措置したと発表した。死亡畜の除去に当たっては、豚につい
ては焼却または埋設、鶏については埋設、堆肥化または焼却をすることとされている。
埋設する場合は、地表より3フィート(91センチメートル)以上の深さでなければ
ならず、流域から3百フィート(91メートル)以上離れていなければならないなど
の規定が示されている。

 全国ネットのテレビ局がハリケーンによる被害を報道するに当たり、洪水で流され
る家畜や決壊したラグーン(排水処理用の貯水池)を放映したことから、畜産業界で
は、環境規制に対する影響が懸念されている。



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