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【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 9月8日発】アルゼンチンの牛のと畜頭 数は、93年以降おおむね減少傾向で推移してきた。特に、98年は農家の牛群再 編傾向が強まったことから大幅に減少し、93年に比べると14%減の約1,14 0万頭となった。 国立農牧取引管理事業団(ONCCA)は、先ごろ、98年のアルゼンチンにお ける牛と畜頭数によると畜業者のランキングを公表した。これによれば、98年に と畜頭数を報告したと畜業者数は、330社であり、と畜施設(337ヵ所)にお ける州別の施設数およびシェアは、ブエノスアイレス州が114(34%)、コル ドバ州が42(12%)、サンタフェ州が41(12%)、エントレリオス州が4 0(12%)、その他が100(30%)であった。 330社のランキングでは、年間10万頭以上と畜している業者は34社で、と 畜頭数全体の約51%を占めている。そのうち20万頭以上と畜している業者は8 社で、と畜頭数全体の約18%を占めている。年間20万頭以上のと畜業者は次の 通り。
(千頭、%)
業 者 名 |
と畜頭数 |
前年比 |
FRIG. RIOPLATENSE |
328 |
+26 |
C.E.P.A. |
293 |
-19 |
SWIFT ARMOUR |
264 |
-26 |
FRIG. REG. GRAL. LAS HERAS |
251 |
-19 |
FRIAR |
241 |
+5 |
FRIG. PENTA |
218 |
+42 |
FRIG. Y MATAD. PONTEVEDRA |
211 |
+33 |
COTO C.I.C. |
205 |
-8 |
また、アルゼンチンの牛肉生産量に占める輸出量(枝肉ベース)のシェアは、9 5年に19%に達してからは、年々減少しており、98年は12%となった。98 年の輸出量(枝肉ベース)は、約29万トン、輸出額(FOB価格)は、約6億4 千8百万ドル(約713億円:1ドル=110円)となっている。 農牧水産食糧庁は、98年のアルゼンチンにおける牛肉輸出量および輸出額によ る食肉業者上位25社のランキングを公表している。これによれば、上位10社が、 輸出額全体の約73%を占めている。上位5社までの顔ぶれは昨年と同じで、また、 輸出額1億ドル(約110億円)を上回る上位2社が、輸出額全体の約32%を占 めている。上位5社の食肉業者は次の通り。
(トン、千ドル)
業者名 |
輸出量 |
輸出額 |
SWIFT ARMOUR(2) |
27,787 |
107,676 |
C.E.P.A.(1) |
27,676 |
101,655 |
FRIAR(3) |
23,937 |
80,563 |
FINEXCOR(5) |
14,301 |
48,584 |
QUICKFOOD(4) |
8,644 |
34,168 |
(注)輸出量は製品重量ベース。( )は97年の順位。
アルゼンチン食肉業界にとって、98年は、国内生体牛取引価格の上昇による国 際競争力の低下などにより、牛肉の輸出量が激減したため、輸出にウェイトを置く 食肉業者において牛と畜頭数の減少が顕著にみられる年となった。
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