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USDA、ホルモン非投与肉牛プログラムを発表



【デンバー駐在員 本郷 秀毅 9月9日発】米農務省(USDA)は8月31日、
対EU輸出向けホルモン非投与肉牛プログラムのための第3者機関による認証シス
テムを策定したと発表した。

 EUは今年4月、米国から輸入されるホルモン非投与牛肉の12%のサンプルか
ら成長ホルモンの残留が検出されたと発表するとともに、常設獣医委員会は、6月
15日から米国産牛肉の輸入を全面的に禁止するとしていた。

 その後、米国がEUによるホルモン投与牛肉の輸入禁止措置に対して100%の
報復関税をちらつかせる中、EUは6月14日、輸入禁止措置の実施を半年間延長
し、12月から実施すると発表した。

 これを受けて、USDA食品安全検査局(FSIS)は、ホルモン非投与肉牛プ
ログラムの管理に対する懸念を踏まえ、7月16日から同プログラムに基づく証明
を中止するとともに、同プログラムの改善を図ってきた。

 今回の発表によれば、FSISは生産からと畜、加工、製品の包装までの全工程
の管理を改善するため、業界による協力の下、第3者機関による認証システムを開
発したとしている。第3者機関には、USDA農業マーケティング局(AMS)ま
たはAMSによって認証された機関が含まれる。

 改善されたホルモン非投与肉牛プログラムは3つの原則からなり、それぞれに関
連する機関は、AMSから第3者認証機関としての認証を受けなければならない。
3つの原則は以下の通り。

 第1に、肉牛は認可された農場またはフィードロットで飼養され、当該生産者に
よりホルモン非投与条件下で飼養された旨証明する宣誓供述書を付してと畜場に出
荷されること。

 第2に、ホルモン非投与の肉牛および牛肉は、と畜場で他から分離され、成長ホ
ルモンを投与された家畜および食肉と混合しないような方法で処理されること。

 第3に、ホルモン非投与肉牛の組織のサンプルはと畜場で収集され、認証された
独立の検査機関において、規制されている化合物の残留水準が分析されること。

 このため、牛肉生産の全工程を通じて肉牛の個体識別がなされ、生産された牛肉
がホルモン非投与肉牛からのものであることが記録・伝達されるとともに、遡及可
能でなければならない。

 本システムに基づく認証が完了すれば、7月16日以来中止されていた同プログ
ラムに基づく輸出証明書の発行が、今後数ヵ月以内に再開されるものとみられてい
る。

 米国からEU向けに輸出されるホルモン非投与牛肉は、年間1万1千トンの輸入
枠に対して、約7千トンの輸出実績があるとされている。


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