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豪州生乳生産量、1千万キロリットル突破




【シドニー駐在員 藤島 博康 9月24日発】豪州酪農庁(ADC)の発表によ
ると、98/99年度(7〜6月)の生乳生産量は、広範な地域で降雨に恵まれた
ことを背景に、1千万キロリットルの大台を突破し、1,017万8千キロリット
ルに上った。豪州の生乳生産量は、81年以降、一貫して増加傾向にあり、特に9
0年代に入ってからは年率約6%もの勢いで拡大している。
 

97/98 

98/99 

99/2000

(千キロリットル)

(増減)

NSW州

1,242.2

1,285.3

(+3.5%)

VIC州

5,865.8

6,414.4

(+9.4)

QLD州

822.3

826.6

(+0.5)

SA州

579.8

645.5

(+11.3)

WA州

386.6

402.7

(+4.2)

TAS州

542.8

603.4

(+11.2)

合計

9,439.5

10,178.0

10,562

乳牛頭数

  2,060   2,121

2,152

乳量/頭

  4,571   4,582

4,908

資料:ADC、99/2000はABARE予測

注:搾乳頭数は千頭、1頭当たり乳量はリットル

 州別に見ると、サウスオーストラリア(SA)州とタスマニア(TAS)州で前
年度よりもそれぞれ11.3%、11.2%と大きく増加。これは1頭当たり乳量
の増加によるところが大きい。1頭当たり乳量は前年度よりSA州で8%、TAS
州では7%それぞれ増加したことに加え、搾乳牛頭数もSA州で3%、TAS州で
4%と、それぞれ増加した。

 豪州全体の約6割を生産するビクトリア(VIC)州の生乳生産量も、前年度よ
りも9.4%と比較的大きく増加した。これは、降雨に恵まれ草地の生産性が上が
ったこと、また飼料穀物価格の安値から穀物飼料の給与が増加したことが大きな要
因とみられている。1頭当たり搾乳量は、前年度よりも6%、搾乳牛頭数は同3%
それぞれ増加した。

 一方、ニューサウスウェールズ(NSW)州とクインズランド(QLD)州では、
比較的天候要因に恵まれなかったことから、搾乳牛頭数が前年度より増加にしたに
もかかわらず、1頭当たり搾乳量は減少した。この結果、生乳生産量の増加率は全
国水準を下回った。

 ウェスタンオーストラリア(WA)州では、1頭当たり乳量、搾乳牛頭数ともに
前年度より約2%増加し、生乳生産量は同4.2%増加した。

 豪州では、国内の市場規模が小さく、乳製品の約6割が輸出に向けられることか
ら、生産者乳価は国際市況の影響を強く受ける。現在の乳製品の国際市況はここ1
0年間でも最も低水準にあるとされ、近年値下がりが続く生産者乳価に一層の引き
下げ圧力となっている。生乳生産量増加には、天候要因のほかに、少なからぬ生産
者が乳価低下による収入減少分を乳量増加で調整を図ったことも影響したとみられ
る。

 9月に発表された豪州農業資源経済局(ABARE)の予測では、次年度は98
/99年度より約4%増加し、1,056万キロリットルとしている。しかしなが
ら、中長期的には、現行の加工原料乳価格支持制度の来年6月での廃止や、飲用乳
価格支持の見直しなど、不確定要素が多い。また、最近の政府によるかんがい用水
への規制強化は、豪州全体の約4分の1の生乳を供給するVIC州北部地域などで、
生産への大きな抑制要因になるとみられる。


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