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【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 4月6日発】アルゼンチン農牧水産食糧 庁が先ごろ発表した報告書によると、99年の家きん肉生産量(可食処理ベース (骨付き):推計値)は、と鳥羽数の増加に加え、1羽当たりのと体重量が前年比 3.0%増の2.75kgと増加したことから、前年比5.7%増の90万4千ト ンと過去最高を記録した(家きん肉生産のうち98〜99%が鶏肉と推測されてい る。)。 99年の家きん肉輸入量(調製品を含む。)は、99年1月の通貨切り下げによ り競争力を持ったブラジル産冷凍鶏肉が低価格で輸入されたものの、国内生産が引 き続き好調であったことから、前年を16.5%下回る5万5千トン(生産量の約 6%を占める。)となった。このうち99%がブラジルからの輸入である。品目別 内訳は、丸どりが85%、骨付き部分肉が12%、その他が3%である。同年の家 きん肉の輸出量(調製品を含む。)は、前年比5.0%減の2万4千トンとなった。 輸出先は、中国と香港が全体の約6割を占める。 99年の1人当たりの家きん肉消費量は、前年比8.0%増の25.7kgに達 した。アルゼンチン農牧水産食糧庁では、近年の鶏肉業界におけるインテグレーシ ョンの進展により、生産コストが低下したため、実勢価格の低下した国産鶏肉への 需要が増加したとしている。 99年の鶏肉(丸どり)価格は、卸売価格(税抜き)が前年比16.7%安の1. 15ペソ(約127円:1ペソ=110円)、小売価格(税込み)が13.0%安 の2.07ペソ(約228円)となった。報告書では、卸売価格の低下率が小売価 格の低下率より大きいのは、処理加工業者に対するスーパーマーケットの交渉力が 強まったためとしている。また、99年(1〜11月)の農畜産品の卸売物価指数 は、前年同期比で17.3%の低下となり、99年の鶏肉卸売価格の低下率とさほ ど変わらなかったが、99年(1〜11月)の食料および飲料の消費者物価指数は、 前年同月比で3.5%の低下にとどまったとし、99年の鶏肉小売価格の低下が顕 著であったことを示唆している。 一方、鶏肉と競合する牛肉の99年における1人当たりの消費量(枝肉ベース) は、前年より約5%増加し、63kgと持ち直したものの、鶏肉価格の優位性やス ーパーマーケットの店舗増により食肉をはじめ食品の多様化が進む中、牛肉業界の 販売促進に向けた取り組みがまだ不十分であるとの指摘も少なくない。 アルゼンチンの家きん肉需給動向
96年 |
97年 |
98年 |
99年 |
|
生産量(千トン) |
720 |
751 |
855 |
904 |
輸入量(千トン) |
29 |
46 |
66 |
55 |
輸出量(千トン) |
2 |
6 |
26 |
24 |
消費量(千トン) |
746 |
792 |
895 |
935 |
年間1人当たり消費量(kg) |
21.2 |
22.2 |
23.8 |
25.7 |
資料:アルゼンチン農牧水産食糧庁
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