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【ブラッセル駐在員 井田 俊二 2月24日発】イギリス農漁業食料省は、2月 14日、消費者を対象とした食品表示に関する調査結果を公表した。この調査は、 実際に食品を購入している消費者(1,081人)を対象として、食品表示に関す る関心事項および改善すべき点等についてインタビュー形式で実施された。これに よると、多くの消費者が食品表示に関してより多くの情報を求めるとともに、誤解 を生みやすいあいまいな表示方法等の改善を望んでいる。 この調査結果によると、消費者が食品を選択する基準は、品質(76%)、価格 (73%)で高く、このほか健康(45%)、オーガニック食品、原産国(いずれ も11%)となっている。 食品表示の活用状況は、68%の消費者が購入時に表示内容を確認している。こ のうち、遺伝子組み換え食品の使用、成分リスト、食品添加物について、表示を確 認している半数近くは、表示場所が分かりにくいと指摘している。また、表示内容 については、38%の消費者が誤解したことがあると回答しており、理由として、 説明方法が不明確(18%)、表示内容が科学的・技術的で難解(13%)として いる。 食品表示の目的は、利用に適した賞味期限(86%)、適正な価格(84%)、 調理方法(78%)を確認するためとしている。また、小売店で貼付している「健 康」をイメージしたロゴマークのついた食品に関しては、低脂肪(68%)、無糖 (47%)、減塩(29%)について確認している。 食品表示の必須項目は、賞味期限(92%)、成分リスト(85%)および価格 (83%)を挙げている。また、重要な表示項目は、賞味期限、成分リストの順で あるとしている。 食品表示の内容については、75%の消費者が、「新鮮(fresh)」、「自然(natu ral)」、「純粋(pure)」といったあいまいな表現に惑わされたとしており、より明 確な表現への改善を望んでいる。 また、約半数(48%)の消費者が、広告、テレビおよび新聞等を通して食品表 示に関するより多くの情報提供を望んでいる。 イギリスの現行の食品表示規則は、EUの理事会指令(79/112/EEC) に準じて96年に定められた。しかしながら、運用面で一層厳密な基準作りが求め られている。 イギリス政府は、1月21日、食品表示について、今後、消費者を対象とした調 査や討論会等を通じて消費者の意見を集約し、食品表示の改善を図ることを表明し た。 また、2月1日には、不明確さが指摘されていた食品の原産国表示について新た なガイドラインを公表し、表示方法の適正化を図っている。 遺伝子組み換え食品をはじめとして、食品表示は食品の安全性の観点から、今後 一層厳格な表示方法が求められることが予想される。ただし、消費者に分かり易い 食品表示の確立は、その大前提であると言える。
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