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ゴア副大統領、2001年度環境保全対策を発表



【ワシントン駐在員 本郷 秀毅 1月19日発】 ゴア副大統領は1月7日、
農家に対するセーフティネット対策強化予算案の一環として、2001年度予
算(2000年10月〜2001年9月)において、家族農業経営体による水
質、環境および土壌の保全を支援する環境保全対策について、総額13億ドル
(1,365億円:1ドル=105円)を求めていくと発表した。

 本対策の概要は、以下の通りである。

 第1に、対策の中心となる保全確保事業(Conservation Security Program)に
ついては、2001年度および2002年度において、それぞれ全体の半額近い6
億ドル(630億円)の予算を提案している。本事業は、さまざまな環境保全対策
を講じた農家に対して、対策の種類や規模などに応じて一定の交付金を支払うとい
うものである。本事業の対象となる保全対策には、包括的栄養分管理、規定された
放牧管理、流水域の草地化や防風林の植林のような部分的な土壌保全対策などが含
まれる。本事業は、アイオワ州選出のハーキン上院議員(民主党)によって提案さ
れた法案を今回新たに取り込んだものである。
 
 第2に、96年農業法により新設された環境改善奨励事業(EQIP)について、
同法に規定された年間2億ドル(210億円)の予算を、3億2千5百万ドル(3
41億円)に増額するよう提案している。本事業は、土壌、水質、その他の自然資
源を保全するため、農家に対して、技術支援、財政支援および教育支援を行うもの
で、法律に基づき、予算総額の半分以上は畜産に関連する環境対策に用いられるこ
ととなっている。本事業の対象となる対策には、家畜ふん尿管理、統合的病害虫管
理、家畜排水の改善などが含まれる。

 第3に、湿地保全事業(WRP)の対象農地について、96年農業法に規定され
た上限を撤廃し、2001年度は過年度未消化分の4万エーカー(1.6万ヘクタ
ール)を含め25万エーカー(10万ヘクタール)に拡大するとともに、その後も
毎年25万エーカーを対象に加えるという提案である。本事業は、湿地の保全・回
復を図る農家に対して、技術支援および財政支援を行うものである。

 第4に、土壌保全留保事業(CRP)の対象農地面積について、96年農業法に
より規定された3,640万エーカー(1,470万ヘクタール)の上限を4千万
エーカー(1,620万ヘクタール)に拡大するという提案である。また、CRP
への継続加入を通じて農地を登録する農家に対して、2001年度および2002
年度において、1億2千5百万ドル(131億円)のボーナスが支給されるよう提
案している。

 さらに、その他の環境保全事業についても予算の増額が提案されている。

  本対策を含む予算案は、2月7日に議会に提案される予定である。


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