ALIC/WEEKLY


ブラジル、今年の牛肉輸出は59万トンと予測



【ブエノスアイレス駐在員 浅木 仁志 7月13日発】ブラジルの99年の牛肉輸
出量は、同年1月ブラジル通貨レアルの対ドルレート切り下げで輸出競争力がつき、
EU向けが増加し、56万5千トンに達した。これは、98年の牛肉輸出量(38万6千
トン)を約46%上回る。現在、ブラジルでは、南部・中西部の7州と1連邦地区が
口蹄疫ワクチン接種清浄地域であるが、北米自由貿易協定(NAFTA)やアジア
諸国などの市場開拓には時間がかかることから2000年の輸出量は前年比4.5%増の5
8万7千トンにとどまると予測された。

 一方、業界筋は、最近の牛肉価格が低下傾向で推移していることから、2000年の
輸出量を約65万トンと楽観的に予測をしている。事実、大消費地市場での去勢牛平
均枝肉単価は、今年始めの1.37〜1.53ドル(約148〜165円:1ドル=約108円)/
kgをピークに下落を続け、最近では1.26〜1.37ドル(約136〜148円)/kg(生体単価
では約0.75ドル(約81円)/kg)で推移している(参考;アルゼンチンの最近の平
均枝肉単価は約1.5ドル(約162円)/kg)。

 近年、ブラジルの牛肉輸出量は加熱加工肉(1時間以上加熱し味付けした加工肉)、
生鮮肉(冷凍・冷蔵肉)を主体として増加傾向で推移しているが、輸出品目の内訳
に変化が見られる。これまで加熱加工肉は、大部分が欧州と米国向けで、ブラジル
の牛肉輸出の量、金額の過半を占めていた。しかし、徐々に約6割が欧州に向けら
れる生鮮肉の比率が増し、特に最近は、国内価格低下の影響もあり、生鮮肉の輸出
割合が増え、特に輸出金額で顕著である。2000年1〜4月の冷凍・冷蔵肉の輸
出量は6万8千トン、輸出金額は約1億4千万ドル、前年同期比でそれぞれ45%、
24%と大きな伸びを示している。欧米に向けられる低級部位を原料とする塩蔵肉
はアルゼンチンが生産、輸出を減らした分ブラジル産が増加していると言われてい
る。

  牛肉の需給  (単位: 千頭、千トン、枝肉ベース)
 

98年

99年

2000年

飼養頭数

159,752

163,470

167,471

生産量

5,794.3

6,182.4

6,460.0

輸入量

123.3

75.1

57.1

輸出量

386.4

565.1

586.8

国内消費量

5,531.2

5,692.4

5.930.3

資料:CONAB
注:99年は推定値、2000年は予測値




ブラジルの牛肉輸出              (単位:千トン、ドル/トン、百万ドル)

 

加熱加工肉(枝肉ベース)

冷凍・冷蔵肉(枝肉ベース)

合計

輸出量

平均単価

輸出金額

輸出量

平均単価

輸出金額

輸出量計

輸出金額計

98

265

1,118

296.2

105

2,634

276.6

370

572.8

99

345

922

318.1

196

2,265

443.8

541

761.9

9914

103

1,049

108.1

47

2,502

116.6

150

224.7

0014

99

817

80.9

68

2,109

144.4

168

225.3

資料:情報コンサルタント(FNP)




元のページに戻る