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EU委員会、食品安全性の所管部局を拡充



【ブラッセル駐在員 山田 理 7月13日発】EUでは、96年のイギリスにおけ
る牛海綿状脳症(BSE)問題の再燃、99年のベルギーにおける鶏肉などのダイオ
キシン汚染問題などを契機として、食品の安全性に対する消費者の関心が高まって
いる。

 こうした動きを受けて、EU委員会は、食品の安全性の確保を最重要課題の1つ
に掲げ、今年1月に公表した「食品の安全性に関する白書」に基づいた諸政策を押
し進めている。

 これらの問題のEU担当部局である公衆衛生/消費者保護総局は、組織拡充によ
り執行体制を強化し、7月1日から新体制をスタートさせた。これは、食品の安全
性に関する問題などに対するEU委員会の積極的な姿勢を反映したものとみられる。

 食品安全性に関する1部局が新たに新設され、A局(総務)、B局(消費者関係)、
C局(科学的評価)、D局(食品安全性:生産・流通)、E局(食品安全性:家畜
および植物衛生・動物愛護・国際問題)、F局(食品・家畜衛生検査)、G局(公
衆衛生)の7局体制となった。これに伴い、所管業務の整理・調整が行われ、効率
化が図られることとなる。

 新設されたD局は、消費者が食品を選択する場合に、的確な情報提供を確保する
ための施策や関連法規を所管するほか、飼料や食品の安全性についての対応を行う
こととされた。今後、ベルギーにおける鶏肉などのダイオキシン汚染のような問題
が発生した場合には、担当部局として重要な役割を担うこととなる。

 一方、「食品の安全性に関する白書」の重要な柱となっている「欧州食品安全機
構」の創設については、加盟国、関係業界、消費者などの幅広い分野から意見を集
約した上で、9月までにEU委員会が正式提案を行う予定となっている。6月下旬
に行われたEU首脳会議でも、9月の正式提案、2002年までの規定採択との当初ス
ケジュールが再確認された。しかし、欧州議会において白書に対する意見(Recomm
endation)の採択が遅れており、この影響で、EU委員会の「欧州食品安全機構」
の創設についての正式提案も11月にずれ込むとの見方が強い。

 7月からEUの議長国になったフランスは、EUの正式提案を審議する最初の農
相理事会を公開方式で行う意向であり、11月20〜21日に予定されている農相理事会
での審議が有力視されている。なお、公開方式による農相理事会の開催は、アジェ
ンダ2000の正式提案を最初に審議した98年3月以来のこととなる。


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