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【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 3月22日発】アルゼンチン農牧水産食 糧庁の発表(速報値)によると、99年の牛肉輸出量は、前年比13%増の33万 トン(枝肉ベース)となった。輸出量が増加したのは、競争力を持った国内の去勢 牛価格、新規市場の開拓、ミレニアム特需による第4四半期の堅調な需要によるも ので、特に、米国とカナダ向け生鮮肉輸出量の伸びが著しかったとしている。 農畜産品衛生事業団(セナサ)の統計(速報値)による主要相手国別の輸出内訳 (製品重量ベース)を見ると、米国向けが38%増の4万3千2百トン、チリ向け が10%増の4万1千6百トン、ドイツ向けが1%減の2万9千2百トン、ブラジ ル向けが9%増の2万3千6百トン、カナダ向けが10倍の1万6千2百トンなど となった。 米国向けの輸出量は、加工肉が前年比22%減となったが、冷凍肉が大幅に増加 したことから生鮮肉は3.5倍となった。アルゼンチン農牧水産食糧庁では、この 増加は、99年の米国の去勢牛価格が上昇する一方、同年のアルゼンチンの去勢牛 価格が、前年比25%安の0.80ペソ(約86円:1ペソ=107円)/kgで 推移したことに起因するとしている。 現地有力誌の予測によると、2000年の生産状況は、牛飼養頭数は約4,90 0万頭と見込まれ、と畜率を27%とすると、と畜頭数は約1,330万頭、1頭 当たりの平均枝肉重量を210kgとすると、生産量は280万トン、一方、需要 については、輸出量は35万トン、1人当たりの牛肉消費量は66kgになると予 測している。 米農務省が先ごろ発表した在ブエノスアイレス米国大使館の農務官からの報告書 では、アルゼンチンが、世界の牛肉貿易においてより大きな役割を担うために調整 すべきいくつかの課題を示している。その概要は、以下の通りである。 @牛肉生産量のうち85%を国内で消費し、多くの若齢牛がと畜されていること、 Aここ数年間で、繁殖経営と肥育経営は改善されたが、生産性はまだ乏しいこと、 B同国の肉牛改良は、主要市場が求める大型の牛を供給するのに十分ではないこと、 C過去5年間で、牛飼養頭数は5百万頭以上減少したが、まだ回復していないこと、 D農家段階の低い収益性、 E財政的にぜい弱な食肉加工部門、 F強い自国通貨(同国は、1ドル=1ペソでの通貨交換を保証する実質的な固定相 場制を採用している。)、 G新規市場の開拓を促進する機関が不足していること。 なお、セナサによる99年の主要相手国別品目別牛肉輸出量(製品重量ベース、 速報値)は、以下の通りである。
アルゼンチンの主要相手国別牛肉輸出量(99年)
(単位:トン)
生鮮肉 |
ヒルトン枠 |
加工肉 |
内臓 |
合計 |
|
米国 |
23,576 |
- |
19,251 |
397 |
43,224 |
チリ |
39,643 |
- |
1,631 |
318 |
41,592 |
ドイツ |
7,158 |
18,901 |
2,849 |
340 |
29,248 |
ブラジル |
9,309 |
- |
0 |
14,263 |
23,572 |
カナダ |
15,198 |
- |
905 |
59 |
16,162 |
イスラエル |
11,660 |
- |
195 |
1,012 |
12,867 |
イタリア |
3,427 |
539 |
2,204 |
3,789 |
9,959 |
その他 |
22,378 |
8,171 |
20,738 |
41,254 |
92,541 |
合 計 |
132,349 |
27,611 |
47,773 |
61,432 |
269,165 |
注:数量は製品重量ベース
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