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【シンガポール駐在員 外山 高士 3月23日発】シンガポール国家開発省は、 96〜98年の食品の価格と消費量に関する調査を実施し、今般、その結果を公表 した。 同国は、人口約340万人のうち、中国系住民が約8割を占めていることから、 中華料理の食材として利用される鶏肉と豚肉の消費が、牛肉などに比べて多いこと が知られている。しかし、同国内では、日本人をはじめとする外国人長期滞在者約 50万人と、年間500万人を超える観光客などが食肉の消費量に関係しているこ とから、国民1人当たりの消費量を求めることは、非常に困難な状況となっている。 今回政府の公表した数値によると、価格ではいずれの品目においても、97年に 上昇したものの、98年の通貨危機以降は、96年の水準にまで下落している。豚 肉の場合、96年が1s当たり6.78シンガポールドル(S$:1S$=約63 円)、97年が6.98S$、98年が6.75S$となっている。ただし、牛肉 については96年が12.63S$、97年が12.49S$、98年が12.4 4S$と低下傾向で推移している。 また、1人当たり消費量を見ると、その全量を輸入に頼っている食肉は、全品目 とも減少傾向で推移している。鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、家きん肉、魚肉の合計で は、96年に98sであったものが、97年は96s、98年は90sと、減少傾 向となっている。また、動物性たんぱく質の消費量に占めるシェアが35%を占め ている鶏肉も、96年には35sであったが、97年には34s、98年には32 sとなっており、食肉全体と同様の傾向となっている。 これに対して、需要の95%を輸入に頼っている野菜は、96年に69sであっ たものが、97年には73s、98年には77sとなっており、同じように輸入に 頼っているにもかかわらず、食肉と異なり増加傾向となっている。 なお、99年については、マレーシアにおけるウイルス性脳炎の発生に伴い、シ ンガポール政府が生体豚の輸入を禁止したことなどから、食肉の輸入量が大幅に減 少するものとみられており、消費量も減少すると予測されている。 シンガポールにおける1人当たり消費量 (単位:s/人、%)
96年 |
97年 |
98年 |
||||
消費量 |
シェア |
消費量 |
シェア |
消費量 |
シェア |
|
鶏肉 |
35 |
35.7 |
34 |
35.4 |
32 |
35.6 |
魚肉 |
29 |
29.6 |
28 |
29.2 |
26 |
28.9 |
豚肉 |
25 |
25.5 |
24 |
25.0 |
23 |
25.6 |
牛肉 |
4 |
4.1 |
4 |
4.2 |
3 |
3.3 |
家きん肉 |
3 |
3.1 |
3 |
3.1 |
3 |
3.3 |
羊肉 |
2 |
2.0 |
3 |
3.1 |
3 |
3.3 |
野菜 |
69 |
73 |
77 |
|||
果物 |
85 |
84 |
82 |
|||
卵(個) |
283 |
282 |
277 |
資料:シンガポール国家開発省第一次産品局
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