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ブラジル、2000年の農業粗生産額は増加予測



【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 5月17日発】全国農業連盟(CNA)
は先ごろ、ブラジルの2000年における農業粗生産額の第1回目の予測を発表した。
これによれば、作物部門(主要20品目)が前年比1.9%減、畜産部門(主要5品目)
が8.6%増と見込まれ、全体として2.2%の増加が見込まれるとしている。

品目別の概要は、次の通りである。
〇畜産部門
 主要5品目すべての粗生産額が増加見込みであるが、中でも、牛肉は、生産量が
前年比6.1%増の665万トン(枝肉ベース)、生産者価格が前年を上回って推移する
見通しから、前年比12.9%増と伸びが最も大きい。豚肉は、生産量が継続して増加
しており、粗生産額は8.7%増と見込まれる。

 主要5品目すべてが増産見込みであるが、生産者価格の上昇が期待できるのは、
牛肉と豚肉のみである。

 鶏肉は、生産量が6.8%増の590万トン(骨付きベース)と見込まれるが、供給過
剰により生産者価格は前年を下回るものとみられる。また、飼料の65%を占めるト
ウモロコシ価格の上昇により生産コストの増加が懸念される。鶏卵も鶏肉と同様の
傾向にあり、粗生産額の増加予測は、生産量の増加要因のみに基づくものである。

 牛乳は、生産量が5.0%増の201億リットル、生産者価格が3.3%下回り、粗生産額
は3.2%増と見込まれる。

〇作物部門
 主要20品目のうち、粗生産額の規模の大きいものの中で増減が目立つのは綿花、
コメ、コーヒーなどである。

 大豆とトウモロコシは、作物部門の粗生産額の約3分の1強を占めるが、大豆に
ついては、国際市況の回復やアジアの需要の回復などが増産を促すものとみられ、
粗生産額は3.2%増と見込まれる。

 トウモロコシは、国内需要が供給を上回って推移するものとみられ、生産者価格
が前年を上回り、粗生産額は6.8%の増加が見込まれる。

      ブラジルの農業粗生産額  
                (単位:百万レアル、%)
    

99年

2000年
(予測値)

 増減率

作物部門

44,707.6

43,838.4

-1.9

 

綿花

938.4

1,121.2

19.5

 

コメ

3,639.8

3,203.4

-12.0

 

ココア

404.1

404.5

0.1

 

コーヒー

5,040.9

5,815.8

15.4

 

サトウキビ

5,526.6

5,076.9

-8.1

 

フェジョン

2,428.1

1,859.3

-23.4

 

葉煙草

1,460.4

1,324.0

-9.3

 

オレンジ

1,606.6

969.0

-39.7

 

トウモロコシ

6,032.9

6,441.6

6.8

 

大豆

8,905.8

9,188.4

3.2

 

小麦

518.5

481.1

-7.2

 

その他(9品目)

8,205.6

7,953.3

-3.1

畜産部門

28,791.3

31,277.6

8.6

 

牛肉

14,093.0

15,908.7

12.9

 

鶏肉

5,792.0

6,053.2

4.5

 

豚肉

2,164.6

2,352.4

8.7

 

牛乳

5,649.3

5,831.6

3.2

 

鶏卵

1,092.5

1,131.7

3.6

合計

73,498.9

75,116.1

2.2

資料:全国農業連盟(CNA)
注 1:四捨五入の関係で、必ずしも合計とは一致しない。
   2:1レアル=約60円


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