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2001年飼料輸入政策を発表(タイ)
【シンガポール駐在員 外山 高士 11月9日発】タイ政府はこのほど、2001年 における飼料輸入政策を発表した。これによると、99年からとられている政策と同 様の傾向が見られており、引き続き生産者保護色の強いものとなっている。 トウモロコシについては、20%の関税によって輸入できる割当数量を、世界貿易 機関(WTO)合意の水準である53,832トンのみとしており、98年に国内生産の不 足により約30万トンの無税輸入枠を設けた例を除き、引き続きWTO合意の水準の みの実施となっている。輸入可能な期間についても、今年同様に、国内産トウモロ コシの端境期である3月1日から6月30日までの4ヵ月間のみとしている。なお、 割当数量枠外の輸入に関しては、WTO合意に基づき、関税が76.2%から75.4%に 引き下げられているものの、輸入課徴金については今年と同額の1トン当たり180 バーツ(約468円:1バーツ=2.6円)となっている。 大豆ミールは、WTO加盟国からの輸入に関しては数量制限がなく、1年中輸入 することが可能となっているものの、今年と同様に、タイブロイラー加工輸出協会 など6団体を輸入業者に指定したうえで、これらの業者には別途、政府の決定する 価格での国産大豆ミールの全量買い入れを義務づけている。これら指定輸入業者が 大豆ミールを輸入する際の関税率は、今年と同率の5%である。なお、これ以外の 者が輸入する場合も、今年と同率である119%の関税が課される。 たんぱく質含量60%以上の魚粉は、大豆ミール同様に、輸入数量と輸入期間に制 限を設けていない。また、関税率についても、今年と同率の15%に据え置かれてい る。しかし、ASEAN自由貿易圏(AFTA)に基づき、東南アジア諸国からの 輸入に関しては、5%の低関税率が適用されている。 現在、同国内では、昨年の豊作に伴う在庫の増加から、トウモロコシ価格が低落 傾向で推移している。農業協同組合省の公表している農家販売価格によると、水分 含量14.5%未満のトウモロコシは、7月に1s当たり3.89バーツ(約10.1円)、8 月に3.60バーツ(約9.4円)、9月最終週における速報値は3.48バーツ(約9.0円) となっている。このため、政府は市場介入による価格支持に乗り出しており、目標 価格を農家販売価格で3.90バーツ(約10.1円)とし、今年8月から来年6月までの 期間に、50万トンのトウモロコシを買い上げることとしている。これらのことから、 同国は、今後も国内の農業保護政策を強めていくものとみられており、その動向が 注目されている。
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