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ＥＵ、食品安全教育キャンペーンを実施

【ブラッセル駐在員　島森　宏夫　11月23日発】ＥＵ委員会はこのほど、2000〜01
年度の食品安全教育キャンペーンの概要を発表した。このキャンペーンは、98〜99
年度に行われた食品安全情報キャンペーンの第２段階として位置付けられている。
より大きな効果を上げるため、加盟各国は、食品安全に関する単なる情報提供に留
まらず、ターゲット層を明確にした教育活動を行う予定である。

　ＥＵでは、食品安全への消費者の関心が高く、98〜99年度に、食品表示、食品の
（流通起源の）追跡可能性、遺伝子組み換え（ＧＭ）食品、食品衛生などの情報提
供、知識普及を目的として、食品安全情報キャンペーンが実施された。その後も、
食品安全への関心はさらに高まっているため、ＥＵ委員会では、2000〜01年度に食
品安全教育キャンペーンを実施することとした。

　同キャンペーンの目的は以下の通りである。
・食品安全の一般原則と実際についてのターゲット層への教育

　フランスでは、高校生（15〜18歳）とその教師、並びに家族をターゲットとして、
図をふんだんに取り入れた参考書の提供等を予定している。同キャンペーンの標語
としては、消費者が食品安全の関係者であることを認識させる「食品安全はみんな
の問題」、および「食品安全はみんなの権利かつ責任」、食品は安全かつおいしい
ものであることを認識させる「安全にたくさん食べよう」を使用する。また、ドイ
ツでは10代（14〜20歳）、教師などの教育者およびマスコミをターゲットとする一
方、イギリスでは小学校（５〜11歳）の教師を目指している教職課程の学生をター
ゲットとするなど各国ごとにさまざまなターゲットが予定されている。

・インターネット、ＣＤ−ＲＯＭの活用
・食品安全に関するアドバイザーとしての消費者組織の役割増進
・消費者組織、国家機関および専門機関相互の意見交換
・食品安全に関するマスコミの関心増加

　ＥＵ予算としては410万ユーロ（約３億８千万円：１ユーロ＝93円）が確保され
ており、各国への予算配分上限額は次の通り。

オーストリア：  145,000ユーロ
ベルギー：      165,000ユーロ
デンマーク：    105,000ユーロ
フィンランド：  105,000ユーロ
フランス：      560,000ユーロ
ギリシャ：      165,000ユーロ
ドイツ：        640,000ユーロ
アイルランド：  105,000ユーロ
イタリア：      560,000ユーロ
ルクセンブルグ： 45,000ユーロ
ポルトガル：　　165,000ユーロ
スペイン：　　  420,000ユーロ
スウェーデン：  155,000ユーロ
オランダ：　　  205,000ユーロ
イギリス：　　  560,000ユーロ

　なお、全体調整費用として、300,000ユーロが別に計上されている。


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