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大幅に増加したブラジルのトウモロコシ輸入



【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 10月18日発】国家食糧供給公社(CON
AB)がまとめた報告書によれば、今年1〜7月におけるブラジルのトウモロコシ
輸入量は、99年の年間輸入量82万2千トンを超過し、114万3千トンと大幅に増加した。

 ブラジルでは、99/2000年度のトウモロコシの収穫量と在庫数量の減少が見込ま
れる中、養鶏、養豚産業における生産拡大などによるトウモロコシの需要増が輸入
増加を後押している。

 輸入数量とシェアを国別にみると、アルゼンチンが98万9千6百トン(シェア86.6
%)と最も多く、次いでパラグアイが13万6千6百トン(同12.0%)、米国が7千1
百トン(同0.6%)、その他が9千7百トン(同0.8%)となっている。

 また、CONABは8月下旬に、99/2000年度のトウモロコシ収穫状況調査結果
を発表している。これによると、同収穫量は7月に発表された前回の予測値から146
万8千トン下方修正され、前年度比2.3%減の3,164万1千トンと見込まれている。内
訳を見ると、第1収穫分(収穫時期:2〜4月)は、前回の予測値から45万4千トン
上方修正され、前年度比3.6%増の2,771万5千トン、第2収穫分(収穫時期:7〜8
月)は、7月中旬に発生した霜害による単収の大幅な低下により、192万2千トン下
方修正され、前年度比30.5%減の392万5千トンと見込まれている。

 第2収穫分の生産量を州別に見ると、同国最大の生産州であるパラナ州が前回の
予測値から161万9千トン下方修正され120万4千トン、サンパウロ州が22万6千トン下
方修正され30万1千トンと同2州における霜害による影響が著しかった。特に、サン
パウロ州は、7月の霜害に加えて今年上半期における干ばつによる影響で、前年度
と比較し66%減と大幅な減産見込みとなった。

 また、CONAB発表の9月18日現在における99/2000年度の需給報告によると、
期首在庫(2000年2月1日現在)は161万6千トン、生産量は3,164万1千トン、消費量
は前年度を70万トン上回る3,570万トン、輸入量は霜害による国内生産量の大幅な減
少から、前回の予測値を60万トン上回る260万トン、期末在庫は15万7千トンと推定
されている。

 2000/2001年度のトウモロコシの作付動向については、@価格が作付意欲を刺激
するレベルにある。A需給バランスからみて供給不足がしばらく続くものとみられ
る。B作付用種子の販売量が今年度を上回っている。C米国産大豆が史上最高の生
産量と予測される中、同国の主要な農産物輸出産品であり、国際市況の影響を強く
受ける大豆よりトウモロコシの方が価格の優位性が高いとみられることなどから、
作付意欲の高さがうかがえる。

 なお、CONABは、10月16日から南部・中西部などの2000/2001年度穀物作付
意向調査を開始すると発表している。


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