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農村でのインターネットアクセスが急増(米国)



【ワシントン駐在員 樋口 英俊 10月24日発】米商務省は先ごろ、居住地域、年
齢、所得、人種、教育、性別などのグループ別インターネットアクセス状況に関す
る報告書を発表した。デジタル・デバイド(情報格差)の解消に向けた現状把握を
目的とする同報告書によれば、農村地域などでインターネットにアクセスしている
世帯の割合は、前回(98年12月)調査時の22.2%から2000年8月には38.9%へと大
幅に増加したことが明らかとなった。さらに、全世帯のこれらの割合との格差も、
前回調査時の4.0ポイントから2.6ポイントへと縮小した。

 米商務省のグレゴリ−・ロード次官補は、かつては、その普及割合で置き去りに
された感のあった農村地域などで、短期間に全国水準へ近づき、居住地域によるデ
ジタル・デバイドが実質的に解消されたとのコメントを述べた。

 クリントン大統領も、今回の結果に満足しながらも、依然としてやるべきことは
多いとして、コンピューターの知識を有する教員の育成、障害者への補助的技術の
開発、米商務省による家庭でのインターネットアクセス機会向上プログラムなどの
実行経費の支出を認めるよう議会に要請した。

 一方、米農務省(USDA)は、こうしたインターネットの普及を背景に、生産
者の電子商取引も増加していると報告している。これによれば、97年から99年の間
にインターネットにアクセスしている生産者の数は、ほぼ倍増し、99年にインター
ネットを利用した約60万の生産者のうち、約15%が農産物などを電子商取引で売買
したとみられている。

 電子商取引を積極的に利用する生産者は、全国平均よりも年齢が若く、その70%
以上が35歳から54歳の層に属している。また、受けた教育も3分の1強が大卒以上
であり、全国水準に比べて高いものとなっている。ちなみに生産者全体で見た場合、
当該年齢層に属するのは46%、大卒以上の学歴を有するのは21%である。

 電子商取引の対象については、42%が作物用の肥料などの生産資材で、より経営
規模が大きい生産者の方が当該製品をネット上で購入する傾向が見られる。これら
については、トウモロコシと大豆の作付面積の約10分の1に必要とされる生産資材
に相当するものと報告されている。これとは対照的に、畜産生産者の生産資材購入
や家畜の販売に関しては、経営規模との相関は見られなかった。

 なお、地域別では、コーンベルト、南平原地域、太平洋側地域およびフロリダ半
島地域などの主要農産物生産地域の生産者が半数以上を占めた。

 USDAは、コスト削減やよりタイムリーかつ効率的な農畜産物の販売などを目
的として、今後も生産者の電子商取引が増加していくものと見込んでいる。


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