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99年度の米国食肉会社ランキング



【ワシントン駐在員 樋口 英俊 8月31日発】先ごろ、米国の食肉業界誌であ
る「ミート・アンド・ポルトリー」において、恒例となっている食肉産業各社の販
売高による上位100社のランキングが発表された。

 これは99年度の結果に基づくもので、上位の顔ぶれは昨年度とほぼ同じであった
ものの、上位2社については、昨年度と順位が入れ替わり、生鮮、加工品部門ともに
好調であったIBP社(本社サウスダコタ州)が前年度比10%増の141億ドル(1
兆5千1百億円:1ドル=107円)で首位に立った。一方、昨年度首位のコナグラ社
(本社ネブラスカ州)は、137億ドル(1兆4千7百億円)で前年度を6%上回っ
たものの、2位に転落した。昨年度と同様にカーギル社(本社ミネソタ州)が90億
ドル(9千6百億円)で、これらに続いた。

 99年度は、特に牛肉の販売が、国内の好景気やアジア市場の回復などにより好調
に推移したこと、各社が力を入れている加工品部門が堅調であったことなどから、業
界全体の販売高は、前年度比4%増の965億ドル(10兆3千3百億円)となり、昨
年度の記録をさらに上回った。

 一方、生産過剰となった家きん肉を主として取り扱う会社では、第4位のタイソ
ン・フーズ社(本社アーカンソー州)の販売高が74億ドル(7千9百億円)で昨年
度並み、9位のパーデューファーム社(本社メリーランド州)が25億ドル(2千7
百億円)で前年度比0.4%の減少となるなど、販売高の伸び悩みが見られた。

 ここ数年、米国の食肉業界では、規模のメリットの追求や、付加価値の高い加工部
門への進出を図る上で、企業買収が大きなトレンドとなっており、販売高のみなら
ず、経営自体の成否にも影響するほど重みを増している。ちなみに今回首位のIB
P社も、当該年度に H&M Food System 社など数社の買収により加工品部門の拡
充を行った。さらに、高付加価値化という大きな流れの中で、一部の食肉パッカ−
が着手する、いわゆるケースレディ・ミート(精肉を小売店のショーケースに並べ
るだけという段階にまで、加工・包装を施したもの)の販売に代表される流通の川
下への進出も、重要な動きの1つとして注目されている。

  99年度の販売高上位5社

順位(98)

会  社  名

販 売 高
(百万ドル)

前年度増減比
(%)

1(2)  IBP社    14,075         +10
2(1)  コナグラ社    13,749         + 6
3(3)  カーギル社     9,000             0
4(4)  タイソン・フーズ社     7,400             0
5(5)  サラ・リー・パッケージド・ミート社     4,100     ▲ 5
資料:「Meat & Poultry」2000年7月号


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