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【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 4月4日発】アルゼンチン農牧水産食糧 庁(SAGPyA)によると、2000年の家きん肉生産量(可食処理ベース(骨付き) :推計値)は、と鳥羽数が3億4,800万羽と前年を1.4%上回ったことから、過去最 高を記録した前年を1.5%上回る91万8千トンとなった(家きん肉生産のうち約99% が鶏肉と推測されている。)。これは、96年の生産量と比べ28%の増加であり、そ の要因として、飼養技術の向上により、1羽当たりの歩留まり率が増加したためと している。 と鳥羽数の四半期別の推移についてSAGPyAは、アルゼンチンにおける鶏肉 消費が、通常、10月以降増加し、クリスマス、新年にかけてピークを迎えることか ら、第4四半期(10〜12月)にと鳥羽数は増加するが、2000年の第4四半期は、前 年同期比4.6%増の9,310万羽と顕著に増加したとしている。 同国には、農畜産品衛生事業団(SENASA)認定の食鳥処理加工施設が76施 設あり、そのうち2000年に操業した施設は52施設、うち42%がブエノスアイレス州、 35%がエントレリオス州に位置している。また、2000年のと鳥羽数のうち約6割が と鳥ランキング上位10施設で占められる。 SAGPyAによると、2000年の家きん肉輸入量(製品重量ベース、調製品を含 む)は、前年比17%減の4万6千トンとなった。このうち、鶏肉輸入量は18%減の 4万3千トンで、うち99%がブラジル産で占められる。輸入量が減少したのは、ア ルゼンチン政府が昨年7月下旬、ブラジル産鶏肉丸どりの最低輸出価格を設定し、 実際の輸出価格が最低輸出価格を下回る場合、その差額分をアンチダンピング税と して賦課する決定を下したことが最大の要因である。なお、鶏肉輸入量を品目別に 見ると、丸どりが全体の81.4%を占め、骨付き部分肉が12.3%、その他が6.3%と なっている。 また、2000年の家きん肉類輸出量(製品重量ベース、調製品および副産物を含む) は、前年比12%増の2万7千トンとなった。輸出量を品目別に見ると、モミジ(鶏 の足の部分)が全体の51%を占め、輸出相手先は、中国、香港、南アフリカなどで ある。また、内臓粉末、フェザーミール、原料脂は全体の31%を占め、輸出相手先 はチリ、南アフリカ、スペイン、コロンビアなどで占められる。 2000年の1人当たりの家きん肉消費量は、前年比0.8%減の25.9kgとなったが、 97年と比較すると17%増となっている。近年における需要増の要因として、SAG PyAは、鶏肉産業の生産効率の向上から生産コストが低下し、鶏肉の実勢価格が 低下したことや食生活の変化を挙げている。また、鶏肉価格(丸どり)は、2000年 の卸売価格が97年に比べ30%安の1s当たり1.04ペソ(約132円:1ペソ=127円)、 同年の小売価格が23%安の同1.92ペソ(約244円)と下落傾向で推移しているのに 対し、牛肉価格は比較的安定しているとし、こうした牛肉に対する鶏肉の価格優位 性が鶏肉消費の増加を促しているとみている。
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