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【シドニー駐在員 幸田 太 8月16日発】豪州フィードロット協会(ALFA) は8月11日、四半期ごとに行っている全国フィードロット飼養頭数調査の結果を発 表した。これによると、総飼養頭数は2001年6月末時点69万3千頭となり、今年3月 の調査時点よりも6%増加し、過去最高であった昨年同期の67万3千頭を約3%上回 り、記録を更新した。 州別飼養頭数内訳(単位:頭)
6月末 | 前期比 増減率 |
前年同期比増減率 | |
NSW州 | 263,071 | 0.7% | 11% |
QLD州 | 331,434 | 19% | △ 1% |
VIC州 | 53,966 | 14% | 33% |
SA州 | 17,490 | △48% | △50% |
WA州 | 26,823 | △19% | 2% |
合計 | 692,784 | 6% | 3% |
仕向け先別飼養頭数内訳(単位:頭)
日本向け | 391,211 | 11% | △1% |
韓国向け | 11,691 | △25% | △5% |
他輸出 | 8,613 | 102% | 1,370% |
輸出計 | 411,515 | 11% | 0.7% |
国内向け | 263,534 | △4% | 2% |
不明 | 17,735 | 174% | 169% |
合計 | 692,784 | 6% | 3% |
フィードロット飼養頭数を州別に見てみると、全国の約5割を占めるクインズラ ンド(QLD)州では、3月末と比較して19%増加、ビクトリア(VIC)州では 14%の増加、ニューサウスウェールズ(NSW)州では季節要因により微増、サウ スオーストラリア(SA)州ではフィードロットの閉鎖により、48%の減少、西オ ーストラリア(WA)州でも19%減少した。また、フィードロットのキャパシティ ーに対する稼動率は全体で87%、QLD州では94%と高くなっており、95年からこ の調査が始まって以来の記録になっている。高稼動率の要因として、総飼養頭数の 約85%を飼養するQLD、NSW州では、地域的な干ばつによる草の生育状況が悪 いことと毎週記録を更新している販売価格の高騰により繁殖農家のフィードロット への販売意欲が高い中で、フィードロット側も輸出向け素牛の確保に動いたものと 考えられる。 また、仕向け先を見てみると、輸出向けが41万2千頭でフィードロット飼養頭数 全体の59%、国内向けが26万4千頭、同38%となり、3月末と比較して輸出向けが10 %の増加、国内向けが4%の減少となっており、輸出向けは高い素牛価格でも豪ド ル安の影響で増加する一方、国内向けは素牛の価格が影響して減少となっている。 ちなみに輸出向けのうち39万1千頭、95%が日本向けである。 輸出向けの飼養頭数が41万2千頭と3月末に比較し11%増加しているが、ALFA は、この1年間で36%も高騰した素牛価格、干ばつによる飼料穀物の不足と不確定 要素があり、この飼養頭数を維持することは難しいと予測している。一方では、ア ジア、特に韓国を中心として、今後1年間は引き続き強い輸出需要も期待できると している。 フィードロット業界のみならず、豪州の生産者を含めた食肉産業全体が、安い豪 ドルに支えられた輸出の伸びを背景に活況に沸いている。数年この状況が継続する との報道もあり、今後の行方を注目したい。
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