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【シドニー駐在員 幸田 太 2月15日発】ニュージーランド家畜改良公社(L IC)が先般公表した、99/2000年度(99年6月〜2000年5月)統計によると、乳 用経産牛飼養頭数は、ニュージーランド(NZ)全体で3,269千頭と約2万頭(前 年比0.6%)減少したにもかかわらず、南島では723千頭と約5万5千頭(前年比8. 5%)の増加を記録し、南島の飼養頭数が拡大を続けていることが示された。 NZでは、乳脂肪と乳たんぱくを基準に乳代を生産者に支払う方法を採っている が、99/2000年度の乳用経産牛1頭当たり乳脂肪は、NZ全体で165s、南島では17 7s、北島では163sとなり、同乳たんぱくはNZ全体で123s、南島では134s、北 島では121sとなった。また、乳用経産牛1頭当たりの生乳生産量は、NZ全体で3, 601リットル、南島では4,246リットル、北島では3,493リットルとなった。好天に 恵まれたシーズンを反映し、全体的に前年を上回る結果であるとともに、1頭当た りの乳固形分、生乳生産量とも南島が北島を上回る形となった。また、南北の生乳 生産量に占めるシェアも南島が割合を伸ばし推計で約24%(昨年22%)となった。 経営規模を見た場合、1戸当たりの平均経産牛飼養頭数は、NZ全体で236頭 (昨年比7頭増加)と、83年以降安定した増加を示しており、南島347頭(同14頭 増加)、北島216頭(同4頭増加)と、南島の増頭がNZ全体を引き上げている。 また、平均300頭以上の乳用経産牛を飼養している酪農家戸数は2,785戸となり、初 めてNZ全体の20%を超え、規模拡大がNZの酪農業の流れであることが分かる。 ちなみに、南島のカンタベリー地域では、酪農家556戸の平均経産牛飼養規模が430 頭を超えている。北島の1戸当たり平均経産牛飼養頭数が216頭であることから、 その違いは歴然としており、南島では、世界的に見ても大規模酪農が行われ、そし て拡大を続けている。 一方、酪農生産者数は、NZ全体で見ると1万3,861戸と501戸が減少しているが、 南島で2,086戸と59戸の増加、北島で1万1,775戸と560戸の減少となっている。 これらの結果からも分かるように南島は、生産量および経営規模がともに拡大し ている。北島での酪農には規模拡大の制約など限界が見えつつあり、北島生産者の 興味は、豊富な土地資源による規模拡大の可能性を持つ南島への進出に移っている。 2001年1月から2年間続いていたニュージーランド・デイリーグループ(NZDG) の南島への移動制限措置(モラトリアム)が撤廃されたことは、それに拍車をかけ ており、来シーズンの南島の生乳生産拡大に大きく寄与することは間違いない。今 後の動向に注目したい。
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