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ブラジルでトウモロコシ価格が下落



【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 3月7日発】ブラジルのトウモロコシ生
産者販売価格は昨年、生産量の減少などから高騰したが、今年は一転して下落した。
国家食糧供給公社(CONAB)が発表した60s当たりの生産者販売価格(サンパ
ウロ州)の推移をみると、昨年12月から価格下落が顕著となり、今年1月は前年同
月比36%安の8.72レアル(約514円:1レアル=59円)、さらに2月は8.10レアル
(約478円)と推定されている。

 CONABでは、こうした価格の下落要因として、2000/01年度のトウモロコシ
生産量が、前年度に比べ22%増の3,850万トンと記録的な増産が見込まれる一方、
大手需要者が昨年度のトウモロコシの減産や価格の高騰から、輸入などにより在庫
を積み増ししていたため、取引量が少ないことなどを挙げている。

 99/2000年度のトウモロコシ需給は、霜害による第2収穫分の大幅な減産などか
ら生産量が前年度比2.3%減の3,164万トンとなる一方、養鶏、養豚業界などからの
需要が堅調であったことなどから、輸入が大幅に増加した。外国貿易局の統計によ
ると、2000年1〜12月のトウモロコシ輸入量は、アルゼンチンからの輸入が大幅に
増加したことから、前年に比べ約2.2倍の177万トンとなった。また、トウモロコシ
の代替飼料として需要が増加したソルガムの輸入量は、前年比約18倍の37万トンと
なった。

 しかし、CONABでは、今年度のトウモロコシの需給動向について、記録的な
増産見込み、価格の下落などから、輸出が大幅に増加するとみている。同国におけ
る過去2〜3年の輸出量は7〜8千トン程度で推移したが、大手コンサルタント会
社では、2001年の輸出量を前年の約127倍の85万トン、輸入量については前年比82
%減の32万トンと見込んでいる。

 トウモロコシ価格が下落する中、ブラジル農務省は2月6日、2000/01年度にお
けるトウモロコシ生産者に対する支援策の実施を発表している。同国では、農産物
の販売に際し、収穫時の価格暴落のリスクを低減する目的で主要な農産物に対し最
低保証価格が設定されているが、この発表の中で、2月にトウモロコシ42万5千ト
ンの最低保証価格での買い上げを、ゴイアス州、マットグロッソドスル州、マット
グロッソ州で優先的に実施するとした。また、支援策のひとつとして、鶏、豚、牛
飼養者への営農融資について、増額分をトウモロコシの購入に充てることを条件と
した融資限度額の増額措置が挙げられている。

 政府による価格安定策の実施が図られる中、CONABは、今後のトウモロコシ
価格は上向くものとみられるが、その勢いは緩やかなものになると予想している。
また、記録的な増産見込みなどから、飼料業界では輸出への関心が高く、中米やE
Uの国々との交渉が進められているなど、今後の輸出動向が着目されるとしている。


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