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EU世論調査では、共通農業政策への満足度が低下


【ブラッセル駐在員 島森 宏夫 11月22日発】EU委員会は11月22日、共通農業
政策(CAP)に関する世論調査結果を公表した。この調査は、今年5〜6月に加
盟国15ヵ国の一般市民16,029人を対象に行われた。昨年後半に実施された世論調査
結果(「海外駐在員情報」平成13年5月29日号(通巻第485号)参照)と比較すると、
CAPの目的の重要性には依然高い理解率を示した。

CAPの目的についての賛否(%)
目的 賛成 反対 不明
農産物の健全・安全性確保 90 4 7
環境保全 89 4
中小規模農家の保護 82 8 10
消費者の望む農産物生産への援助 81 8 11
田舎での生活改善 80 10 10
欧州農業の国際競争力の強化 78 10 12
農民の収入安定・適正化 77 12 11
農産物・農業活動の多様化 76 9 15
有機的農法の振興 75 12 14
欧州農産物の特徴の保護 75 9 16
地域開発格差の縮小 74 12 15
欧州農産物の味の保護 74 11 15
仲介人との交渉における農民の利益の擁護 71 13 16
 一方、CAPの各目的に対する実効性についてどのように感じているかの調査結
果では、「満足している」との回答割合は前回調査結果に比べ、平均10%下落し、
「分からない」とした回答が増加した。この下落要因について、EU委員会では口
蹄疫の発生や牛海綿状脳症(BSE)問題再燃の影響によるものと見ている。フィ
シュラー委員(農業・農村開発・漁業担当)は、「この調査結果はアジェンダ2000
で設定した農業政策の目的に、市民が関心を持っていることを示すものである。市
民の優先関心事項に、環境保全、食品安全、そして農民への適正収入保証が上がっ
ており、この目的の達成に努力しなければならないことが確認された。来年のCA
P中間見直しは、こうした意見に合わせた政策改善の好機となるだろう。」とコメ
ントした。

各目的に対するCAPの実効性への評価(%)
目的 満足 不満足 不明
環境保全 41 34 25
有機的農法の振興 38 32 31
農産物の健全・安全性確保 37 37 26
欧州農業の国際競争力の強化 36 33 31
農産物・農業活動の多様化 36 31 33
欧州農産物の特徴の保護 36 30 33
消費者の望む農産物生産への援助 34 37 29
田舎での生活改善 32 41 27
地域開発格差の縮小 31 37 32
欧州農産物の味の保護 31 33 35
農民の収入安定・適正化 29 44 27
仲介人との交渉における農民の利益の擁護 28 39 33
中小規模農家の保護 28 44 28



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