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【ブエノスアイレス駐在員 浅木 仁志 9月26日発】ウルグアイの2000年の牛 肉輸出量(枝肉ベース)は、北米自由貿易協定(NAFTA)とアジア市場への上 半期の輸出量が増加したことから、約27万トンと過去数年で最高を記録した。 同年10月下旬に同国で口蹄疫が発生したが、迅速なと畜処分などで事態が終息し、 輸出量に影響を及ぼすには至らなかった。 2001年は、4月下旬の大規模な口蹄疫発生により、国内の全牛群にワクチン接種 が開始され、同年5月の国際獣疫事務局(OIE)総会でアルゼンチンなどととも に口蹄疫ワクチン不接種清浄国の衛生ステイタスが留保された。このため従来の輸 出市場は閉鎖され、5月以降の輸出量に影響を及ぼした。 このことから、2001年第1四半期の牛肉輸出量(枝肉ベース)は7万9千トンと 前年同期比4%減にとどまったが、第2四半期は3万7千トンと前年同期比47%の 大幅な減少となり、同年上半期は11万6千トンと前年同期比24%の減となった。 2001年1〜8月期の牛肉輸出量(冷蔵・冷凍牛肉、加工及び塩蔵牛肉の製品ベー ス)を国別に前年同期で比較した場合の特徴は、@カナダへの冷凍牛肉が約2万4 千トンと50%増加した。Aブラジルへの冷凍牛肉が約1万3千トンに半減した。B 日本、韓国、アルジェリアへの輸出が途絶えた。Cメキシコへの生鮮牛肉(冷蔵・ 冷凍牛肉)が2,500トンと約5分の1になった。D新たにベネズエラ、カナリア諸 島、中国などへの生鮮牛肉輸出が見られた。 輸出量は、同年5月以降に急減し、5月が2,533トン、6月が3,314トン、7月は 少し持ち直したものの前年比約40%減の6,943トン、8月が3,612トンで、各月とも 冷凍牛肉の割合が高かった。6月以降の冷凍牛肉輸出(6月2,892トン、7月6,414 トン、8月3,083トン)の大半はカナダ向けとなっているが、これは口蹄疫発生以 前に処理された冷凍牛肉がこの時期に出荷されているからである。米国への生鮮牛 肉輸出は途絶えているが、加工及び塩蔵牛肉の大半はイギリスと米国に輸出され、 特にイギリスへの輸出量が多い。 牛肉生産量の過半が輸出される同国で、主要輸出市場の閉鎖は国内の牛肉市場の 飽和に直結する。主な食肉処理加工施設は稼働率を大幅に落としているが、2001年 5〜8月の去勢牛生体価格は、99年末から2000年初めの干ばつによる価格下落以来 の1s当たり0.7ドル(約84ドル:1ドル=約120円)を割って推移し、8月の去勢 牛枝肉価格は同1.3ドル(約156円)と暴落している。価格動向を見て出荷を控えて いる生産者が今後見切りをつけて一気に市場に手持ちの牛を放出すれば、さらに価 格が下がることが懸念されている。
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