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【ブラッセル駐在員 山田 理 9月27日発】イギリスでは、口蹄疫(FMD) の発生から7ヵ月が経過したが、今もFMDの発生が散発している。ただし、1週 間当たりの発生数は1件にまで減少しており、発生地域も限られてきている。 こうした中、イギリス環境・食料・農村地域省は先般、家畜移動に関する新たな 制度の導入を公表した。 これによると、現行のFMD発生農場を起点とした、感染区域、危険区域、暫定 清浄地域をFMD清浄化の度合いにより郡を単位として、以下の3つに再区分する。 1.FMD清浄郡(FC) ・3ヵ月間FMDの発生がない ・FMD発生農場から10キロメートル以内の家畜の血清学的検査が終了(検査 の結果、陽性の家畜はすべて処分済) ・FMD感染の可能性のある家畜(2月1〜23日の間に他から導入した羊等) について、すべて処分済みか血液検査の結果陰性 2.FMD危険郡(ARC) ・30日間FMDの発生がない ・FMD発生農場から3キロメートル以内の家畜の血清学的検査が終了 ・FMD発生農場から3〜10キロメートルの家畜の血清学的検査が未終了、ま たは、FMD感染の可能性のある家畜が未処分 3.FMDハイリスク郡(HRC) ・30日以内にFMDが発生 または ・FMD発生農場から10キロメートル以内の家畜の血清学的検査が未終了 ・FMD感染の可能性のある家畜が未処分 各区分間の家畜移動に関するルールは以下のとおり。
区分(郡から郡の移動) |
可否 |
FC→他のFC/同じFC内 | ○ |
FC→ARC | ○ |
FC→HRC | × |
ARC→FC | × |
ARC→他のARC/同じARC内※ | ○ |
ARC→HRC | × |
HRC→FC/ARC | × |
HRC→他のHRC | × |
HRC→同じHRC内※ | ○ |
※移動に際して、羊に関してはFMD感染の徴候が明確でないため、血液検査を実施 本制度は10月1日から完全に施行される予定である。9月24日時点での認定区分 が既に公表されており、イングランド北部のカンブリア周辺やイングランド西部な ど23の郡や市がHRCに認定されている。 同国では、例年、冬が本格化する前に、家畜の販売や移動が盛んに行われる。こ の制度は、FMD感染拡大の防止を図る一方で、家畜飼養者の農業活動を円滑にす ることを主な目的としている。また、将来的には清浄地域の畜産物について、EU への輸出解禁を狙ったものとも言える。
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