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【ワシントン駐在員 樋口 英俊 9月28日発】先ごろ、米国の乳業業界誌であ る「Dairy Foods」に、スーパーマーケットでの販売高に基づくアイスクリームの ブランドランキングが発表された。 これは2000年6月18日〜2001年6月17日までの52週の結果によるもので、小売店 による独自のブランド(プライベートブランド)が、圧倒的な価格競争力を背景に 全体の23%のシェアを占め、昨年同様首位となった。販売高は、前年比0.7%減の 9億2,900万ドル(約1,115億円:1ドル=120円)であった。これに続いたのが、18 66年にフィラデルフィアで誕生したブレイヤーズで、販売高は、前年比5.0%減の4 億7,700万ドル(約572億円)となった。 第3位には、ブレイヤーズ同様に古い歴史を有するドレイヤーズ/エディーズ・ グランドが入っており、販売高は前年比2.2%減の3億9,800万ドル(約478億ドル)、 これにテキサス生まれのブルー・ベルが同1.3%増の2億2,800万ドル(約274億円)、 日本でもおなじみのハーゲンダッツが同0.7%増の1億8,300万ドル(約220億円) で続いている。なお、全体では、同1.5%増の40億5,400万ドル(4,865億円)となっ た。購入場所は、ある調査によると、5割強がスーパーマーケットで、対面販売店 (Scoop Shops)が約25%、コンビニエンス・ストアが約7%、自販機が約4%の 順となっている。 販売量については、プライベートブランドが前年比5.4%減、ブレーヤーズが同 4.3%減となるなど、上位5社とも前年を下回った。これはアイスクリーム生産量 の減少に加えて、生乳価格や燃料コストの値上がりを反映し、アイスクリームの販 売価格が軒並み上昇したことなどによるとみられる。 アイスクリーム市場は、かなり成熟した市場で、そのトレンドを見極めるのは難 しいとされるが、東海岸や西海岸を中心にイタリアン・ジェラートの人気が高まっ ているほか、古株の多い米国アイスクリーム界で大成功したベン&ジェリー(今回の ランキングで第6位)に代表される「エキゾチック」な風味の新製品の投入が続い ている。こうした商品群には、チェリー・チョコレートチップ入り、バナナ・ファ ッジ入り、チョコレート・キャラメル・ナッツ入りなどの商品が含まれる。 また、ファミリーパックのアイスクリームの容器については、従来の円柱型から、 商品の表示が平面で見やすく、消費者によりアピールする四角柱型(角は丸いので square-round shapeと言われる)が増加しており、現在、そのシェアは、約35%に 達したとされている。 アイスクリームブランドトップ5
順位 | 会社名等 | 販売高(百万ドル) | 前年度比(%) |
1 | プライベートブランド | 929 | -0.7 |
2 | ブレイヤーズ | 477 | -5.0 |
3 | ドレイヤーズ/エディーズ・グランド | 398 | -2.2 |
4 | ブルー・ベル | 228 | +1.3 |
5 | ハーゲンダッツ | 183 | +0.7 |
資料:Information Resources,Inc 注 :2000年6月18日〜2001年6月17日までの52週におけるスーパーマーケットで の売上高に基づくもの。
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