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ＥＵ委、2002年の家畜伝染病対策に関する予算を採択

【ブラッセル駐在員　山田　理　10月18日発】ＥＵ委員会は10月16日、2002年にお
ける伝達性海綿状脳症（ＴＳＥ）やその他の家畜伝染病対策に関する予算を採択し
た。この予算総額は1億5,500万ユーロ（約173億円：１ユーロ＝112円）となってい
る。

①ＴＳＥモニタリング計画

　ＥＵにおいては、牛海綿状脳症（ＢＳＥ）について、2001年1月から30ヵ月齢超
の食用に向けられる牛の全頭検査および農場で死亡した牛などの抽出検査が開始さ
れた。同年7月からは、検査対象が拡大され、24ヵ月齢超の農場で死亡した牛およ
び緊急と畜した牛の全頭検査が義務付けられた。ただし、ＢＳＥの危険性の低い国
（オーストリア、フィンランド、スウェーデン）においては、30ヵ月齢超の健康な
牛の検査は、抽出検査で実施されている。2002年におけるＢＳＥ検査頭数の合計は、
７～８百万頭に上るとみられる。

　また、2002年１月から18ヵ月齢超の健康なめん羊・ヤギおよび農場で死亡しため
ん羊・ヤギを対象とした抽出検査が導入される予定である。

　ＥＵ委員会は、加盟国から提出された2002年の検査計画について、各国の疫学的
な状況および当該家畜の飼養頭数を考慮した上で、予算配分を決定した。これによ
ると、ＢＳＥおよびスクレイピーのモニタリングついては、ＥＵから最大1億1,400
万ユーロ（約128億円）が拠出され、検査キットの購入費に充てられる見込みであ
る。加盟国別の予算配分は以下のとおりである。


　　　　　　（単位：千ユーロ）
国　　名 金　額
ベルギー 4,850
デンマーク 2,860
ドイツ 20,710
ギリシャ 1,300
スペイン 10,700
フランス 34,900
アイルランド 10,630
イタリア 10,850
ルクセンブルク 350
オランダ 5,800
オーストリア 1,640
ポルトガル 2,750
フィンランド 500
スウェーデン 600
イギリス 5,560
ＥＵ計 114,000 
②家畜伝染病撲滅計画

　ＥＵ委員会は、2002年におけるＢＳＥ以外の13の主要家畜伝染病に関する50の撲
滅およびモニタリング計画を採択した。これらの計画に対し、ＥＵから4,045万ユ
ーロ（約45億円）が拠出される見込みである。対象となる家畜伝染病は、①公衆衛
生および家畜衛生の双方に関連を持つ、または、②畜産業に重大な損失を及ぼし、
結果的にＥＵ内外の貿易障壁となるものである。スクレイピー、ブルセラ病、牛の
結核病、狂犬病、サルモネラ感染症が2002年の撲滅計画の主要ターゲットとなって
いる。


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