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米墨政府、食品安全性の向上を目指し協力


【ワシントン 樋口 英俊 9月13日発】米保険社会福祉省(HHS)、米農務省
(USDA)、メキシコ厚生省(SSA)およびメキシコ農畜産農村開発漁業食料
省(SAGARPA)は9月4日、両国の農産物貿易が北米自由貿易協定(NAF
TA)などを背景として、より緊密化していることを受け、両国で食品安全性の向
上を図るために協力していくことを定めた文書に署名した。

 この中では、両国の関連省庁が、効率的かつ適切に情報交換を行うことなどが定
められており、その対象品目には、通常の食品のほか、家畜用飼料、バイオテクノ
ロジーにより生産された食品、食品および飼料用添加物、家畜用医薬品が含まれて
いる。

 合意文書で協力していく事項としては、以下のものなどがある。

 @ 両国の法律、規則、ガイドライン、供給業者の検査報告書、リコール状況など
   に関する情報交換を定期的に、または緊急時に行う上での具体的な手順の検討 

 A 食品安全性上の問題から、食品の差し止め、回収などの緊急事態が生じた際に、
   その調査に関する情報をできるだけ早い段階で提供し合う具体的な手順の検討

 B 緊急事態が生じた際に、一般国民への公表前に、両国関連省庁で交換しておく
   べき情報の特定

 C 国際食品規格委員会、国際獣疫事務局などで討議される新たな基準について、
   共通の立場を取るための意見交換

 D 食品安全性に関する規則の科学的根拠となる調査研究、両国の利益となる疫学
   調査、リスク・安全性評価調査の特定

 E 両国で直ちに、または将来的に調和させることができる規則、科学的基準、手
   続きなどの特定

 F 食中毒に関する調査が実施された際に入手した情報およびデータの提供

 関連省庁は、これらの事項について、作業計画を策定し、実行に移すとともに、そ
の後も少なくとも1年に1回は見直しを行うこととされている。 USDAのホーク
次官は、この文書の署名後、「両国の農産物貿易が高い水準で行われていることから、
こうした食品安全性に関する協力は、極めて重要である。規則や検査基準の調和、情
報の交換により、両国の食品安全性はさらに向上する」とコメントした。

 食肉についても、米国にとって、メキシコの輸出市場としての重要性は年々高まっ
ている。牛肉の場合、メキシコは、日本に次ぐ輸出市場で、2000年の同国向け輸出量
は、前年比14%増の約24万2千トン、全輸出量に占めるシェアは21%であった。また、
豚肉についても、メキシコは第2の市場であり、2000年の輸出量は前年比81%増の約
13万7千トン、全輸出量に占めるシェアは5年前の3倍強の23%に達している。

 米国で発生した同時多発テロの影響について
    9月11日に米国で発生した同時多発テロの影響で閉鎖されていたシカゴ商品
      取引所(CBOT)とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は、13日から平常ど
      おり取引を再開。また、ミネタ運輸長官は13日朝、管制空域での飛行禁止の解
      除を発表。飛行スケジュールも徐々に正常に戻るものと見られる。
      
       今回の事件は、ニューヨーク証券取引所などの金融市場の停止による悪影響や、
      消費者の購買意欲減退などによる需要の減少などで、米国経済の減速に拍車をか
      けるのではないかとの懸念もあり、米連邦準備制度理事会などの出方が注目され
      ている。
      
       一方、議会では、テロ対策が主要な議題となり、農業分野での懸案である貿易
      促進権限(TPA)法案や、下院本会議での審議が予定されていた次期農業法案の
      審議などに遅れが出るとの観測も流れている。

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