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フォンテラ、ネスレ合弁会社設立を発表(NZ)


【シドニー 幸田 太 4月4日発】ニュージーランド(NZ)の組合系乳業メー
カーフォンテラは3月25日、世界的な大手食品メーカーネスレSA(ネスレグルー
プ全体では世界81ヵ国に479工場を有し、社員数約22万5千人、売上高約5兆2千
億円、2000年度)と南北アメリカ大陸における合弁企業デーリー・パートナーズ・
アメリカ(DPA)の設立合意書に調印した。フォンテラ設立の目的であった国際
市場への躍進がその設立から半年を経た現在、着実に成果となって現れている。

 合併会社の内容は、フォンテラ、ネスレSA双方50:50の資本比率で、約1万人
の社員を擁し、初年度の目標売上高約14億米ドル(約1,862億円:1米ドル=133円)
とされ、行政当局の最終認可手続きを経た後、正式に設立されることとなる。

 DPAは、チルドの乳製品と飲料から、加工乳、粉乳と幅広い乳製品を取り扱う
こととなる。しかし、乳児用ミルク、エバミルク、コンデンスミルク、その他チー
ズやバターは今回の提携条件には含まれていない。

 会社の意思決定は、フォンテラ、NZMP、ニュージーランド・ミルク、ネスレ
からの役員により構成される取締役会によって行われることとなる。

 両社はこの提携により、既存および新規市場での売上の増加、両社の資産を最大限
に活用することによる投下資本の効率的活用、両社の施設、設備の相互利用による費
用効率の向上、製造能力の有効活用や研究開発などで大きな効果が期待できるとして
いる。

 DPAは、まず優先的に南アメリカのアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウル
グアイ、ベネズエラにおいて事業展開を行う予定である。すでにネスレは、南アメリ
カにおいて半世紀以上の乳製品ビジネスを展開している実績があり、新会社における
早期のマーケット奪取の自信をのぞかせている。

 フォンテラのロードリー会長は、今回の調印に対しニュージーランドの酪農家にとっ
て歴史的な展開とし、喜びを表わしている。また、年間1千億米ドル(約13兆3千億円)
ともいわれる米国の乳製品市場に世界的な食品会社であるネスレとの合併により参入す
る足がかりを築けたのは、昨年、酪農家の支持の下、フォンテラを設立できたことによる。
さらに今後、フォンテラの事業推進の原動力となるものとしている。

 DPAの設立と時を同じくして、フォンテラのインドへの事業展開も報道されている。
昨年10月のフォンテラ設立以来、豪州企業への資本参入、EU圏での事業提携、アジア
そして南北アメリカ大陸とその展開のスピードは目を見張るものがある。

 まさに、今回の事業提携からは、わずか1万4千人の生産者が支えるNZ酪農産業が、
世界的な大手食品メーカーであるネスレもその存在を認めざるを得ないほどの乳製品の
原料供給者としての地位となっている。フォンテラ設立の悲願であった国際市場への躍
進が今、具体的に現れてきている。今後の動きに注目したい。




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