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【ブラッセル関 将弘 8月8日発】イギリスにおけるオーガニック市場は近年、 年間30〜50%の割合で急速に拡大しているものの、食品全体における割合はいま だ小さい状況にある。
一方、オーガニック農業が環境にとって有益であることや、多くの消費者がオ ーガニック農産物に価値を認めていることなどから、イギリスにおける、オーガ ニック食品および農業部門の持続的な発展のため、環境・食料・農村地域省(DE FRA)は、21項目の行動計画(Action Plan)を公表したところである。 この計画の重要項目としては、改定された有機農業計画(Organic Farming Scheme)の強化、新たな調査基金の設立、および同国オーガニック食品市場の発 展のための生産者と多数の小売店による取り組みを挙げている。また、この行動 は、政府だけではなく、食品流通全体に関わる者もともに取り組むことが重要で あり、このことを認識している関係者の協力により策定された。 この行動計画の概要は以下のとおり ・ 同国のオーガニック市場に占める国産の割合(3割)を従来の方法による農産 物市場の国産の割合(7割)と同程度とするとの目標と、オーガニック農業に よりもたらされる利益。 ・ オーガニック食品の認証団体の承認や、行動計画の実行に関して大臣に助言す る、オーガニック食品と農業に関する新たな諮問委員会を2003年4月に創設す ること。 ・ 他国の生産者と競争する同国の生産者を効果的に支援するための取り組み。 (すべてのオーガニック食品の認証団体が、EU規則に基づいた証明書を提供 すること等) ・ 行動計画の策定に参画した小売業者が、オーガニック市場における同国産オー ガニック生産物のシェアを拡大させるための機会を設定すること。 ・ 政府によるオーガニック食品などの持続的な調達を促進すること。 ・ DEFRAが、オーガニック部門の調査を支援するための予算を確保すること。 ・ 環境保護的な農法への転換を完了したオーガニック農家への暫定的な助成を継 続するため、有機農業計画を修正すること。 なお、農業者団体は、この行動計画が、オーガニック農家と小売店のパートナー シップをより強めることとなるものとして支持しているものの、農家への支援水準 が他のEU諸国に比べ、低いと指摘している。
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