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【ワシントン 道免 昭仁 8月8日発】先ごろ、米国の食肉業界誌である「ミ ート・アンド・ポルトリー」において、通算24年目となる食肉産業各社の販売額 に基づくトップ50社のランキングが発表された。 これは2001年度の結果によるもので、「企業合併・買収」という見出しが発表 記事の冒頭を飾ったように、前年4位のタイソン・フーズ社(本社アーカンソー州) が前年2位のIBP社(本社ネブラスカ州)を買収したことにより、同社の販売 額が前年度比235%増の240億ドル(2兆9,040億円:1ドル=121円)に達し、一気 に1位となった。前年1位だったコナグラ・フーズ社(本社ネブラスカ州)は、牛 肉部門の不振を豚・家きん部門で補い、前年度比9%増の約217億ドル(2兆6,25 7億円)で2位となっている。なお、同社は本年5月、食肉加工(牛・豚)部門を 切り離し、投資会社への売却に合意している。 以下の顔ぶれは昨年同様となっているが、3位となったエクセル(カーギル社の 100%子会社)社は、タイラーパッキング社ほかの買収などもあり、前年度比20% 増の120億ドル(1兆4,520億円)、4位のスミスフィールド・フーズ社(本社バージ ニア州)はパッカーランド社ほかの買収などもあり、前年度比45%増の74億ドル (8,954億円)となり、企業買収がランキングを左右する結果となっている。なお、 今回5位にランクされたファームランド・フーズ社(本社ミズーリ州)は親会社で あるファームランド・インダストリー社が本年5月末に米国銀行破産法第11条の適用 を受け、資産売却が進められているところであるが、ファームランド・フーズ社に おいては現状のまま運営されていくもようである。なお、ファームランド・インダ ストリー社は、米国最大の生産者協同組合組織である。 このような企業買収が繰り返される背景には、@規模拡大を図ることでスケール メリットによるコストダウンにつながること、A大手スーパー・マーケット・チェ ーンなどは、仕入れコスト低減を図るため、規格のそろった商品(ブランド)を少 数のサプライヤーから安定的かつ大量に仕入れる傾向にあるが、これに対応できる こと、B各部門(牛、豚、家禽など)の弱点が補完されることになり、消費性向の 変化に企業全体として柔軟に対応できることなどが考えられる。 今後は、食肉輸出量の減少が見込まれることや米国経済の停滞が懸念される中、 企業合併・買収がこれまで以上に進展するかどうかは不透明であると同誌は述べて いる。2001年度の上位5社
順位(00) | 会社名 | 販売高(百万ドル) | 前年度比(%) |
1(4) | タイソン・フーズ社 | 24,000 | +235 |
2(1) | コナグラ・フーズ社 | 21,799 | +9 |
3(3) | エクセル(カーギル)社 | 12,000 | +20 |
4(5) | スミスフィールド・フーズ社 | 7,400 | +45 |
5(6) | ファームランド・フーズ社 | 4,754 | +8 |
資料:「Meat & Poultry」2002年7月号 注:コナグラ・フーズ社の販売高は、加工済み食品(Package Foods) 部門及び冷蔵・冷凍食品部門の合計となっており、食肉以外の食品も含まれる。
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