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第1四半期の畜産物生産者価格、大幅に下落(EU)


【ブラッセル山田 理 8月22日発】EU統計局(EUROSTAT)は先般、2002
年第1四半期(1〜3月)におけるEU15カ国の農産物生産者価格(速報値)を
公表した。
               
  これによると、名目農産物生産者価格は、前年同期比4.2%高となり、2000年   
の第2四半期から8期連続でプラスとなった。物価上昇分を差し引いた実質農産   
物生産者価格は2.2%高と、2001年第4四半期から1.9ポイント上昇したものの、   
品目間での格差は拡大している。



  実質農産物価格について品目別に見ると、畜産物は同6.6%安と、2001年の第
4四半期から2期連続でマイナスとなった。しかし、子牛、成牛価格は、牛海綿
状脳症(BSE)問題の影響で落ち込んでいた牛肉消費の回復に伴い、前年同期
に比べてそれぞれ7.1%高、6.7%高、とかなり顕著な上昇を示した。

  対照的に、牛肉の代替需要の落ち着いた他品目(畜種)の価格は低迷している。
前年同期の価格がBSEに加えてイギリスでの口蹄疫(FMD)発生に伴う肉豚
出荷量の減少などで高い水準にあった豚は、21.2%安と大幅な低下となった。ま
た、域外からの輸入が増加している家きん(卵を除く)は、同12.8%安と低下し
た。馬、ウサギなどのその他の畜産物も25.6%安となった。 
 
  一方、耕種作物では、野菜、果物などの価格上昇の影響で、同11.0%高となっ
た。この耕種作物価格の上昇が、畜産物価格の低下を補い、結果として農産物全
体の価格をプラスに維持することにつながっている。


  実質農産物生産者価格の増減(前年同期比)
                         (単位:%)
四半期

品目    

2001年

2002年

第2 第3 第4 第1
合計 4.1 2.1 0.3 2.2
耕種作物 4.2 3.8 3.2 11.0
 穀物 ▲4.8 3.4 2.9 0.1
 果実 10.6 13.0 14.0 10.7
 野菜 10.1 ▲2.0 ▲1.8 37.0
畜産物 4.6 0.6 ▲2.3 ▲6.6
 子牛 ▲0.3 ▲8.4 ▲10.4 7.1
 牛 ▲15.9 ▲17.3 ▲9.1 6.7
 豚 23.2 8.6 ▲7.0 ▲21.2
 羊・子羊 12.9 9.0 17.6 ▲1.7
 家きん ▲0.3 4.1 ▲3.1 ▲12.8
 その他 14.7 1.8 ▲8.0 ▲25.6
 牛乳 5.3 4.8 2.1 ▲1.8
 資料:EU統計局(EUROSTAT)

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