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【シドニー駐在員 幸田 太 2月21日発】ミート・ニュージーランド(MNZ) によると、2000/01年度(10〜9月)のニュージーランド(NZ)の牛肉および羊 肉等の輸出量は前年度比4.3%増の74万1,823トン、輸出額は前年度比23.8%の43億 5,550万NZドル(約2,439億円:1NZドル=56円、FOBベース)と好結果を記 録した。 この他の畜産物の輸出額を見ると、乳製品75億9,460万NZドル(約4,252億円)、 ウール8億8,710万NZドル(約497億円)、生体家畜等1億9,010万NZドル(約1 06億円)となっている。畜産物輸出に占めるそれぞれのシェアは、乳製品55%、次 いで羊肉15%、牛肉12%、ウール6%、その他12%で、牛肉、羊肉およびそれらに 係る製品合計では38%となっており、輸出額は増加しているものの、10年前のシェ ア(48%)と比較すると減少している。 また、牛肉および羊肉の主な輸出地域別の輸出量は、EU全体で前年度比3.0% 増の20万7,452トンと増加した。EUへの輸出好調の要因は、イギリスでの口蹄疫 発生、EU域内での牛海綿状脳症(BSE)の影響に加え、MNZが行ったNZ産 食肉の「クリーン、グリーン」キャンペーンの効果も手伝ったものとされている。 サウジアラビアをはじめとする中東では、豪州などの競争の激化でシェアを奪われ、 前年度比16.4%減の3万6,286トンと大きく減少した。今後、宣伝、販売促進の新 たな戦略展開を行い、シェアを確保したいとしている。 また、北米地域(米国、カナダ、メキシコ)では、米国への羊肉輸出は、輸出量 は1万7,343トンと前年度と比べ2.2%減少したものの、輸出額は2億900万NZド ル(約117億円)の増加となり、NZドル安を反映させる形となっている。アジア でも、豪州などと競争が激化し、特にフードサービス部門での価格競争の中、北ア ジアで前年度比14.8%増の9万1,946トン、南アジアは前年度比9.8%増の3万7,75 8トンとそれぞれ増加した。 NZ食肉産業は、生産量に対して牛肉では90%、羊肉では80%を輸出している輸 出型産業である。00/01年度は、NZドル安に加え、ヨーロッパ、南米での口蹄疫、 EU地域、日本でのBSEの発生等による、競争相手の離脱や、疾病発生の危険性 が極めて低い国という評価により引き合いが増加したこと、主な輸出相手国である 米国のラム肉輸入制限の撤廃などNZにとって追い風が吹いた年度でもあった。
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