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EU委、イギリス産牛肉輸入問題でフランスの再提訴を決定


【ブラッセル 関 将弘 7月18日発】フランスは牛海綿状脳症(BSE)への懸
念から、イギリスからの牛肉輸入の禁止措置を取り続けている。昨年12月には、当
該輸入禁止措置が違法であるとEU司法裁判所が裁定したが、フランスはこれを受
け入れなかった。これに関してEU委員会は7月17日、フランスがイギリス産牛肉
の輸入禁止措置を解除しなければ、EU司法裁判所に対し、二度目の訴えを行うこ
と、一日当たり158,250ユーロ(約1,900万円:1ユーロ=120円)の罰金支払いを
要求するとの決定を行った。

 EUのデビッドバーン保健・消費者保護担当委員は、メンバー国がEU司法裁判
所の裁定に従わないことはゆゆしき問題であり、罰金の水準は、このEU規則に反
するという非常に重要な事態を反映したものであると語っている。一方で、同委員
は、フランス政府が違反措置を撤回することへの期待も示している。

 EU委員会は、可能な限り早期に裁定するようEU司法裁判所に要求しているが、
その審議には数ヵ月かかるものとみられる。また、最終的な罰金の水準はEU司法
裁判所の判断に任されている。

 イギリス政府は、イギリス牛肉産業にとって強力な後押しであるとして、EU委
員会の決定を歓迎するコメントを発表している。また、イギリスの農業団体は、膨
大な額の罰金という経済的圧力により、フランス政府が正気に戻ることだけを望ん
でいるとのコメントを発表している。

 フランス政府は、EU委員会からの通告に対し、イギリス産の牛肉の輸入を解除す
るためにはAFSSA(フランス食品安全庁)の新たな見解を待たねばならず、9
月までにはその準備ができないと語っている。

 他方、EUの食品流通に関する常設委員会は同日、イギリス産牛肉および子牛肉の
輸出の円滑化、牛受精卵の輸出禁止措置解除のための規則の修正に合意した。

 合意の内容は次のとおり。

・ 認定と畜施設においては、生年月日に基づく輸出措置(DBES)に基づいた
 輸出向けの牛のみがと畜されていたが、今後は、イギリス国内向け牛肉の処理と
 EU加盟国への輸出向けの処理の間に施設の消毒・清掃を行えばよいこととなる。

・ 従来は、骨なし肉のみが輸出可能であったが、今後は、6〜9ヵ月齢の子牛肉
 については、輸入国からの要求により一定の条件の下、枝肉での輸出も可能とな
 る。

・ 牛の受精卵の輸出禁止措置については、輸出相手国からの要望がある場合は解
 除される。 


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