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【ブラッセル 山田 理 7月25日発】EU委員会は7月23日、動物由来の食品 に関する新たな衛生規則案を公表した。今回の提案は、2000年1月に公表された 「食品安全白書」のアクションプランに基づき、策定が進められている5つの衛 生法令案(hygiene package)のうちの1つである。 食品衛生に関する現行のEU法令は、食品衛生に関する指令(Council Direc tive 93/43/EEC)および食品別に定められた16の指令から構成されている。EU 委員会は2000年7月、食品衛生に関する政策を簡素化し、透明性を向上させるた め、現行の食品衛生関連のEU法令を4つの規則(Regulation)および1つの指 令に整理・強化するとした提案を行った。この衛生法令案の基本方針は、@食品 ごとにパッチワークのように細分化された現行のEU法令に代わって、農場から 食卓まで一貫した体系的な食品衛生規則を導入すること、A自己検査および最新 の危害管理を通じ、食品製造者の食品安全に対する基本的責任を明確化すること、 Bすべての食品および食品材料の農場から食卓までのトレーサビリティシステム を実現するため、すべての食品事業の登録を義務付けることであった。 しかし、審議を進める中で、動物由来の食品、特に食肉に関して、再度抜本的 な見直しを行い、新たな科学的知見を取り入れることが必要であるとして、EU 委員会は2001年12月、動物由来の食品に関する衛生規則案を取り下げていた。今 回の提案は、これに代わるもので、その概要は以下のとおりである。 (食肉) @ 科学的見地に基づいた食肉検査を実施するため、家畜衛生対策に関する科学 委員会の最新の見解を取り入れる。 A 食肉の消費に関連するすべての危害から消費者を守るため、リスク管理に基 づいた食肉検査を実施する。 B 農場から食卓までの一貫した衛生管理を図るため、食肉検査システムに関し て、生産農家およびと畜場との間で継続的な情報の流れを構築する。 C と畜場および監督官庁との間で(双方が持つべき)責任について明確化する。 D 食肉検査に関する規則を今後制定されるEU法令(特に、衛生、人畜共通伝 染病および飼料・食品に対する公的管理に関する分野について)に整合させる。 (牛乳・乳製品) 衛生基準に合致できなかった生乳や、農場段階で適正な処理が行われず、人の 健康に危害を与える可能性を有する生乳などを食用として供給されないようにす る。 同提案を含め5つの衛生法令案は今後、農相理事会および欧州議会で共同審議 され、採択された後に、現行の17指令に置き換えられる。
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