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豪州肉牛生産者トップ20(豪州)


【シドニー 幸田 太 6月6日発】豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)はこの
ほど、昨年の肉牛生産者上位20社を発表した。このランキングは、2年に1度実施
され、今回で5回目となるものである。豪州の肉牛生産の潜在能力が顕著に見て取
れる調査であるが、粗放を中心とした生産体系の中に、フィードロット飼育等を組
み合わせる新しい生産構造が生まれている。

 ランク付けは2001年(暦年)における出荷頭数(推定枝肉重量として換算)に基
づき会社単位で行われる。第1位は、スタンブローク社で北部準州(NT)及びク
イーンズランド(QLD)州に27の放牧地を持ち同年の出荷頭数は141,754頭に上
る。同社の放牧地面積の合計は1千270万ヘクタール以上と、1社で新潟県とほぼ
面積を保有し、総飼養頭数は551,351頭となっている。第2位は、オーストラリア
ン・アグリカルチュラル・カンパニーズ(AACo)社で出荷頭数121,790頭、総
飼養頭数408,092頭となっている。同社は、2001年のフィードロットランキングで
も第5位に位置している。第3位は、キッドマン社で出荷頭数52,012頭、総飼養頭
数168,000頭、同社は単一牧場では世界最大級のアンナクリーク牧場を保有し、そ
の面積は238万ヘクタール(神奈川県とほぼ同じ面積)である。

 そのほか、上位陣では、4位にNAPCO社が前回調査時の6位から順位を上げ
ている。また、オーガニックによる肉牛生産を主体にしているブルーク社も16位と
健闘している。

 今回調査の推定枝肉重量から見ると上位2社で豪州全体の年間牛肉生産量の3.5
%、トップ20の40%を出荷したこととなり、その規模がうかがえる。

 上位2社の順位は、調査開始以来不動であり、調査ごとに総飼養頭数、出荷頭数
を増加させ、規模拡大を続けている。また、両者ともNT、QLD州北部に生産の
拠点を置き、放牧による肉牛生産を主体に行っているが、近年は、QLD州南部の
フィードロットや食肉処理加工会社の買収を行い、それまで粗放を中心としたグラ
スフェッド牛肉の生産や東南アジア、中東への生体出荷から、フィードロットによ
る80日から200日のグレインフェッド肥育を取り入れ、その戦略も多様化の様相を
呈している。また、スタンブローク社では、豪州の肉牛安全管理プログラムである
キャトルケアの積極的な取り組みも行われており、安全性への配慮にも余念が無い。
 
肉牛出荷上位10社
2001
ランク
99
ランク
会社名 出荷重量
(トン/年)
牧場数 飼養頭数
(頭)
飼養面積
('000 ha)
1 1 Stanbroke Pastoral Company Pty Ltd 36,207 27 551,351 12,700
2 2 Australian Agricultural Company Ltd 33,865 18 408,092 6,530
3 3 S.Kidman & Co 13,742 13 168,000 11,190
4 6 North Australian Pastoral Company 12,955 14 188,000 5,707
5 4 Consolidate Pastoral Company Pty Ltd 12,463 17 242,000 5,225
6 7 Heytesbury Beef Pty Ltd 9,406 11 201,049 3,337
7 5 Colonial Agricultural Company 8,359 8 128,277 2,018
8 13 Laglan Pastoral Company 6,710 6 55,000 500
9 10 NA 5,750 NA NA NA
10 20 Lawn Hill Pty Ltd 3,626 2 50,447 717
資料:MLA「FEEDBACK」2002年5月号
 注:出荷重量は推定枝肉重量。


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