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ブラジル、2001年の農業粗生産額は前年比5.5%増


【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 3月19日発】全国農業連盟(CNA)は
先ごろ、ブラジルの2001年における農業粗生産額(暫定値)を発表した。これによ
ると、作物部門(主要20品目)が前年比8.5%と記録的な増加となる一方、畜産部
門(主要5品目)は1.5%の増加にとどまり、農業全体としては5.5%の増加となっ
た。

 品目別の概要は、次の通りである。

(畜産部門)

 畜産は、農業の中で極めて重要な地位を占めており、2001年には、その粗生産額
が農業全体の約4割を占めた。畜産部門の約5割を占める牛肉は、生産量が前年比
3.0%増の685万トン(枝肉重量ベース)であったが、生産者価格が前年比でほぼ横
ばいであったため、粗生産額は生産量と同程度の2.6%増となった。鶏肉は、生産
者価格が下落したものの、生産量が10.4%増の660万トン(骨付きベース)と過去
最大であったため、粗生産額は6.1%増となった。鶏肉の増産要因は、トウモロコ
シ価格の下落と自国通貨の安値傾向により輸出競争力が強まったことから輸出量が
大幅に増加したことが大きい。豚肉は、畜産5品目の中で唯一、前年比で価格が上
昇しており、その粗生産額は6.7%増と顕著な伸びを示した。

 畜産部門で最も低調だったのは生乳で、生産量が5.0%増の208億リットルと増加
する一方、生乳価格が11.1%安の0.32レアル(約18円:1レアル=57円)/リット
ルとなったことから、粗生産額は7.3%減となった。

(作物部門)

 主要20品目のうち、粗生産額の規模の大きいものの中で増減が目立つのは、コー
ヒー、サトウキビ、オレンジ、大豆などである。国家食糧供給公社(CONAB)
によると、2001年における主要な穀物(油糧種子を含む13品目)の生産量は、9,831
万トンで過去最大となり、こうした記録的な増産が作物部門の粗生産額の増加に寄
与している。

 主要な穀物である大豆とトウモロコシは、作物部門の粗生産額の4割近くを占め
るが、ブラジルの主力輸出産品である大豆は、前年比15.1%増の3,722万トンの増
産となったことに加え、ドル建ての輸出価格を基準として設定される生産者価格が、
自国通貨の下落による影響で12.1%高の0.37レアル(約21円)/kgとなったことか
ら、粗生産額は28.5%増と大幅に増加した。一方、トウモロコシは、生産量が前年
比31.3%増の4,154万トンとなったが、供給過剰により生産者価格が26.1%安の0.17
レアル(約10円)/kgと大幅に下落したことから、粗生産額は4.5%減となった。


     ブラジルの農業粗生産額
           (単位:百万レアル、%)
  2000年 2001年 増減率
  作物部門 50,567.2 54,845.5 8.5
綿花 1,390.4 1,570.1 12.9
コメ 3,296.4 3,189.2 -3.3
ココア 328.7 446.3 35.8
コーヒー 5,934.7 3,559.0 -40.0
サトウキビ 7,043.5 9,182.0 30.4
フェイジョン 2,207.4 2,569.0 16.4
葉煙草 1,473.3 1,414.0 -4.0
オレンジ 914.2 2,543.2 178.2
トウモロコシ 7,387.5 7,051.7 -4.5
大豆 10,694.6 13,742.3 28.5
小麦 415.1 837.8 101.8
その他(9品目) 9,481.4 8,740.9 -7.8
  畜産部門 37,181.6 37,756.3 1.5
牛肉 18,766.2 19,247.7 2.6
鶏肉 7,117.7 7,550.7 6.1
豚肉 2,916.1 3,110.7 6.7
生乳 7,119.9 6,602.1 -7.3
鶏卵 1,261.7 1,245.1 -1.3
合計 87,748.8 92,601.8 5.5
資料:全国農業連盟(CNA)


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