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【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 11月6日発】 ブラジル農務省プラチニデモ ラエス農相は10月23日、国家食糧供給公社(CONAB)が実施した主要穀物 (油糧種子を含む13品目)についての第1回調査(9月29日〜10月5日)の結 果を発表した。これによると、2002/03年度の主要穀物の作付面積は、前年度 比2.9〜4.3%増の4,133万〜4,189万ヘクタール、生産量は 8.1〜13.9%増の1 億496万〜1億1,065万トンでいずれも過去最大と見込まれる。 CONABによる生産状況調査は、主要穀物を対象に、例年、夏期作物の作 付時期の10月頃に第1回が実施され、12月、2月、4月、6月と年5回実施さ れる。第1回調査は、新年度の作付意向調査として注目される。 作物別に見ると、大豆の作付面積は、作付時期に大豆価格が高値であること が生産者の作付意欲を刺激するとみられることから、最大で前年度比 8.9%増 の1,778万5千ヘクタールと予測されている。また、生産量は、14.9%増の4,817 万トンと記録的な増産が見込まれ、主要穀物全体の予測値を押し上げている。 プラチニデモラエス農相は、「ブラジルの大豆生産は、生産性においてすで に世界のトップレベルにあるが、6〜7年後には生産量でも世界をリードする だろう」と述べている。 また、第1期作(夏作)のトウモロコシの作付面積は、大豆に押され、前年 度を少なくとも0.4%下回る940万ヘクタールと見込まれているが、生産量は、 単位面積当たりの収量の増加などが見込まれることから、前年度を最大で9.1% 上回る3,173万トンと予測されている。 なお、第2期作(冬作)のトウモロコシについては現時点で前年度の実績が そのまま用いられている。冬期作物の麦類、ソルガム、ヒマワリなどについて も同様である。 近年、穀物生産の増加が顕著である中西部において、長期にわたる乾燥によ り大豆作付けに遅れが生じ、裏作としての冬作トウモロコシの減産が懸念され ていたが、同地方では、10月末以降全域にわたり遅まきながら降雨かあり、早 生大豆と一部の地域で種子の購入を手控えていた冬作トウモロコシの見通しを 好転させている。 01/02年度はトウモロコシ生産量が、前年度比15.5%減の 3,574万トンと大 幅な減産となったが、02/03年度についても、いまだ不確定要素が多く、来年 の収穫までの間、生産者価格は昨年を上回る水準となると懸念されており、ト ウモロコシを主要な飼料原料とする養鶏、養豚部門では、これを深刻に受け止 めている。
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