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イギリス食品基準庁、食品表示方法を提示


【ブラッセル駐在員 関 将弘 11月20日発】  イギリス食品基準庁(FSA)
はこのたび、食品の原産地について消費者が理解しやすいようにするため、食品
製造業者などに対する食品表示についての手引書を発行した。

 FSAによれば、この手引書は、消費者や産業界の代表者が、2001年12月から
2002年3月にかけて行われた公開検討会での結果を踏まえて作成されたものであ
る。

 この手引書は、加工・処理された食品の原産地表示により、材料が生産された
場所などを誤解させないようにするため、食品製造業者や流通業者が法律に従い、
原産地や製品の特性などについて紛らわしい表示を行わないようにするとともに
、消費者に見やすい方法により、任意の情報提供を手助けすることを目的として
いる。

 例として、デンマーク産の豚肉を用いてイギリス国内で作られるベーコンやハ
ムについては、「イギリス産」とは表示すべきではなく、「デンマーク産豚肉を
使用してイギリスで製造されたベーコン(またはハム)」と、ベルギー産牛乳を
材料としてイギリス国内で生産されたバターについては、「イギリス」とか「イ
ギリス産」とは表示せず、「ベルギー産牛乳を使用したイギリス産バター」と表
示することを勧めている。

 消費者に対する調査によれば、商品選択の際、より良い生産国表示が最も優先
順位の高いものであるとの調査結果がある。また、多くの消費者は「**(国、
地域名など)製造」、「**(国、地域名など)製品」、「**(地名など)」
といった表示があれば、その製品の製造場所と原材料の原産地が同じであると考
えているとの調査結果もある。このため、FSAは、「原材料のほとんどが当該
国で生産され、かつ、製造過程のほとんどがその製品が生産された場所と関連す
る場合のみ、上記のような表現を用いることを勧めている。ただし、チョコレー
トにおけるカカオのように、その製品の生産に不可欠な材料を、製品の生産国で
は生産できない製品は例外となるとしている。

 また、旗やある特定の地域の象徴となるようなマーク、有名な建物などを表示
することについても消費者に誤解を与える可能性があるものとして注意を呼びか
けている。

 食肉の表示については、根本的な変更を勧めている。これは、家畜が生まれた
国、肥育された国、と畜された国が異なる場合が多いことから、過去において、
食肉の表示は消費者の混乱を招く原因となってきたためである。牛肉および子牛
肉については既にEU規則により詳細なルールが適用されていることから、FS
Aは牛肉および子牛肉以外の肉について、当該家畜が生まれた国、肥育された国
およびと畜された国が同一の場合のみ、単一の国を表示すべきであり、そうでな
い場合は、生まれた国、肥育された国、と畜された国を表示すべきであるとして
いる。さらに、多くの消費者が食肉加工品の原材料となった食肉の原産地につい
ての情報を求めていることから、味付けされた肉や、食肉加工品についても原材
料の原産地表示等の情報提供を求めている。

 なお、FSAは、ヨーロッパにおける食品表示の改善を強く求めているが、生
産国についての明確な表示と情報提供は、イギリスの消費者にとって重要な事項
であることから、食品製造業者などが、自分たちの製品について明確ない表示を
おこなえるようにするため、ヨーロッパにおける改善を待たずに今回の手引書を
発行したとしている。

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