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豪州の食肉高度加工業者トップ25



【シドニー駐在員 粂川 俊一 9月12日発】 豪州食肉家畜生産者事業団(M
LA)はこのほど、2001年における食肉(牛肉・羊肉)高度加工業者(Red Meat
Value Adding Companies)の上位25社を発表した。このランキングは、加工度
の高い食肉製品、すなわち食肉以外の原材料が加えられたものや、調理済みに
近いものなど付加価値の高い製品の生産状況を把握する試みとして昨年初めて
実施されたもので、今回が2回目となる。

 このランキングは、高度加工製品の生産に使用された原料肉の量に基づき行
われており、その量は上位25社合計で約17万トンと前回の16万2千トンを上回
った。同じく製品売上高は約15億豪ドル(約975億円:1豪ドル=65円)となっ
ており、未確定額などがあるため実質的にはそれを上回る。

 このランキングの上位25社は、高級ソーセージなどに代表的される高度加工
製品だけでなく、加工度の高いさまざまな種類の製品を生産している。総じて、
これらの業者が海外への製品輸出を志向するとともに、約半分の業者にとって
国内のフードサービス部門が主要なマーケットとなっている。
 
 MLAは今回のランキングの発表に際して、上位25社を次の4類型に分類し
ている(業者によっては2つ以上に合致)。

・多角経営の高度加工業者
 上位2社のオーストラリア・ミート・ホールデイングス社とコンソリデイテ
 ィッド・ミート・グループ社に代表されるが、25社のうち9社は、加工部門
 だけでなく、食肉処理部門など食肉・畜産業における他部門を直接的に所有、
 投資している業者。高度加工のさまざまな段階において、製造段階別の製品
 などへの需要に迅速に対応する事業を展開している。

・小売・消費者向けブランド製品製造業者
 豪州の消費者になじみ深い家庭向けのブランドを持ち、スーパーマーケット
 などの流通ルートを通じて製品を供給し、洗練された販売・宣伝活動によっ
 てその製品を支えている。ニュージーランドをはじめ他のオセアニアの国々
 にも輸出されているものも多い。また、高度加工部門の重要な位置を占める
 ソーセージなどの製造業者も含む。(ランキング3位の Heinz Watties 
 Limited、25位のネスレなど)

・専門的な高度加工業者
 ベビーフード、冷凍食品、冷蔵食品、スープなどの製造業者向けに、食肉製
 品を調達し、加工、供給する業者。この業者の存在により最終製品の製造業
 者は、必要以上の労働・設備投資などを行うことなしに、その製品を製造す
 ることが可能となる。また、フードサービスチェーン(ピザチェーンなど)
 のための加工業務を行う業者も含む。(同18位のScorpio Meats など)

・ニッチ・マーケット業者
 小売業者や内外のマーケットからの栄養食品やオーガニック食品などに代表
  される特定の需要に対する製品の製造を行う業者。(同21位のCleavers 
  Organic Meats Pty Ltd など)
食肉高度加工業者上位10位(2001年)
2001 2000 業者名 加工用食肉使用量(トン) 加工製品売上高(万豪ドル) 従業員数(人)
1 1 Australia Meat Holdings PL (FJ Walker Foods & Foodpartners) 19,200 未確定 430
2 2 Consolidated Meat Group Pty Ltd 19,000 6,000 2,000
3 5 Heinz Watties Limited 18,000 未確定 180
4 2 Top Cut Pty Ltd/Pacific Foods Pty Ltd/Colonial Farm Pty Ltd 15,000 18,000 800
5 7 OSI International Foods (Australia) Pty Ltd 15,000 25,000 800
6 4 Comgroup Supplies Pty Ltd 13,500 5,300 186
7 6 Australian Country Choice Pty Ltd 11,500 未確定 450
8 8 非公開 8,000 非公開 非公開
9 9 Beak & Johnston Pty Ltd 7,500 4,000 200
10 14 Primo Smallgoods 7,000 未確定 450
 資料:MLA「FEEDBACK」2002年8月号
  注:食肉使用量には推計値を含み、製品売上高には豚肉製品の売上高を含む
   ものもある。
 

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