ALIC/WEEKLY
2002/03年度の売上高は10%減 ニュージーランド(NZ)の巨大乳業メーカーであるフォンテラは7月23日、2002 /03年度(6月〜5月)の決算結果、生乳供給者に対する最終支払乳価や03/04年度の予 想支払乳価などについて発表した。 02/03年度の売上高は前年度比10.4%減の124億740万NZドル(8,357億円;1NZド ル=67円)と、約15億NZドル(1,005億円)の減収となった。 乳製品の生産量は前年度比11%増の194万トンと過去最高となったが、@ NZドル 高の影響により約8億5,000万NZドル(569億円)の減収になったこと(年度当初の1 NZドル=US48セントが、年度末には約58USセントに上昇)、A 乳製品の国際価格が大 幅に低下したこと(平均で前年度比約24%の下落)が、売上高の減少要因になった。 資産の売却で2億8,400万NZドルの黒字に これらの状況を受けて、フォンテラでは、コストの削減と売り上げの確保に努める とともに、南米に所有していた資産を売却した。この資産売却益が損益改善の大きな 要因となり、02/03年度の税引き後利益は、01/02年度の5,000万NZドル(33億5,000 万円)の赤字から、2億8,400万NZドル(190億2,800万円)の黒字へ転換した。 なお、資産売却益分は出資者には分配されず新たな投資に向けられる。 フォンテラではこの決算結果について、「非常に厳しい市場環境の中、安定した経 営を行えた」と評価している。 今回の決算は、フォンテラ誕生後2回目で、フォンテラでは3年以内に3億1,000 万NZドル(207億7,000万円)のグループ全体の利益を獲得するという設立当初の目標 があるが、今回の黒字決算で前年度の赤字分3,100万NZドル(20億7,700万円)を補て んし、現在では2億600万NZドル(138億200万円)の利益を獲得していると述べた。 最終支払乳価は3.63NZドル、前年度比32%減 一方、02/03年度のキログラム当たりの最終支払乳価(乳固形分ベース)は、3.63NZ ドル(243.21円)となった。これは01/02年度の5.33NZドル(357.11円)と比べ約 32%減、02/03年度当初設定された3.70 NZドル(247.9円)と比べても約2%低い。 03/04年度については、アジア市場の需要が堅調で米国の需要も回復してきているこ とから乳製品価格は昨年末から上昇してきているが、年内は頭打ち傾向と予想される ため、乳価は前年度を若干上回る3.80NZドルとしている。 ◎ 第3回豪米FTA交渉、焦点は市場アクセス問題 豪米間の自由貿易協定(FTA)締結に向けた第3回目の交渉が7月21日〜25日の 間、ハワイで行われた。 今回の交渉では、懸案とされた市場アクセスが焦点となり、その解決に向け、相 互に農産物等の関税の削減案を提出した(具体的内容は未発表)。ベール貿易相は 、「次回の交渉までに米国側からの建設的な回答を期待している」と述べている。 また、年内の交渉妥結に向け、今後の交渉スケジュールについて両国間で合意した。 農産物の市場アクセスについては豪州国内でも依然として賛否両論あるが、同相 は「関係業界と話し合いを続けながら、豪州にとって良い結果を得られるように努 力していく」と述べている。 なお、第4回目の交渉は、10月にキャンベラで行われる予定である。 【シドニー駐在員 井上敦司 7月31日発】
元のページに戻る