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キャンペーンの影響調査を発表 豪州酪農庁(ADC)は、消費拡大対策の一環として、2001年2月に「牛乳乳 製品−命の糧(Dairy. The food of life)」キャンペーンを開始して以来、消 費者だけでなく一般医や栄養士の牛乳乳製品に対する認識の変化について追跡調 査を行ってきた。ADCによると、その結果はこのキャンペーンが非常に効果が あるということを表しており、牛乳乳製品の持つ健康面での有益性に対する認識 が高まってきているとしている。 最新の調査結果における特記事項として次の3つを挙げている。 ・一般医の74%は、牛乳乳製品を40歳以上の女性のために「不可欠なもの」また は「極めて/非常に重要なもの」であるとみている。 ・一般医の91%は、1歳から12歳までの子供のために牛乳乳製品を「不可欠なも の」または「極めて/非常に重要なもの」であるとみている。 ・栄養士の95%は、患者のために牛乳乳製品の消費を増やすことを薦める意向を 示している。 (注:調査の詳細が明らかでないため、残念ながら従前との比較はできない。) キャンペーンのねらい 調査の対象となった「牛乳乳製品−命の糧」キャンペーンは、骨の発育や骨の 強化という点では牛乳乳製品の栄養価値は長年にわたって周知されたものの、不 可欠な栄養素やそのほかの効能など牛乳乳製品固有の栄養は、よく知られていな いという観点から開始されたものである。もちろん、背景としては近年伸び悩み ないし頭打ちの牛乳乳製品の消費傾向があったと考えられる。 このキャンペーンは、牛乳乳製品が持つビタミンAをはじめとする10種類以上 の栄養素を正しく伝えることや、牛乳乳製品が持つ多くの効能(骨と歯の強化、 免疫作用、皮膚と目の健康、体力と活力の向上、成長と発育の手助け、健康と幸 福)を伝えることに焦点を当てている。 消費者や一般医などの専門家をターゲットにテレビ・コマーシャルなどでの広 報宣伝活動が実施されたが、キャンペーン自体も順次見直され、消費者について は、1歳から12歳の子供を持つ母親と40歳以上の女性がカギを握る購買層として 特に力点が置かれていた。 専門家の理解もターゲットに ADCは、一般医と栄養士が、地域社会において、消費者層の食品消費パター ンを決めるのに大きな影響を及ぼすため、牛乳乳製品の栄養学的な価値に対する 知識と理解を高めることにもキャンペーンの狙いを定めたとしている。また、用 途に適した牛乳乳製品リストも作成し、そのリストは、調査の都度、モニターで ある一般医と栄養士のために改善されているとしている。 一方、カギを握る消費者層である1歳から12歳の子供を持つ母親と40歳以上の 女性においても、栄養と健康の重要性は十分認識されていると分析している。 なお、ADCは、別な面の成果として「多岐にわたる食品市場におけるこのキ ャンペーンの浸透」を挙げている。
【シドニー駐在員 粂川 俊一 1月30日発】
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