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新農業法などに基づく調査を実施 米農務省(USDA)はこのほど、オーガニック認定を目的とする家畜(家きん を含む)に給与されるオーガニック飼料の供給状況および通常飼料との価格差につ いての調査結果を公表した。今回の調査は、以下の要請に基づき実施された。 @ 農務長官がオーガニック家畜生産のためのオーガニック飼料の供給可能限度量 を確認するとした2002年新農業法に基づくもの A オーガニック家畜生産者に対する十分なオーガニック飼料の供給とその飼料と 通常飼料との価格差が2倍を超えないことを提示するとした2003年政府歳出予算 法に基づくもの(ナショナルオーガニックプログラム(NOP)は、オーガニック認 定を目的とした家畜への給与飼料はオーガニック飼料に限るとしているが、2003 年政府歳出予算法案ではオーガニック飼料価格が通常飼料価格の2倍を超える場 合には、給与飼料が 100%オーガニックでなくてもその表示ができるとする条項 が盛り込まれ、最終的に削除された経緯がありUSDAが調査を実施した。) なお調査は、USDAの農業マーケティング局(AMS)、経済調査局(ERS)、全国農 業統計局(NASS)のデータと1,474農家および83飼料卸売業者を対象としたアンケ ート調査に基づき、USDAの委託を受けたアイオワ州立大学他2校が分析した。 オーガニック認定を目的とする家畜に対し、十分なオーガニック飼料の供給が可能 報告では、2001年のとうもろこしのオーガニック認定面積は9万3,553エーカー (約3万7,861ヘクタール)、同様に大豆の認定面積が 17万4,467エーカー(約7万 0,607ヘクタール)であり、1997年に比べ認定面積は約2倍となっているが、とう もろこしと大豆の全作付面積の 0.2%を占めるに過ぎない。この認定面積からそ れぞれの収穫量を推定するとオーガニック認定とうもろこしは約1,290万ブッシェ ル(約32万7,660トン)、大豆が約690万ブッシェル(約18万7,790トン)と積算 される。このうち、とうもろこしの約72%約930万ブッシェル(約23万6,220トン )、大豆の約60%約420万ブッシェル(約11万4,307トン)がオーガニック家畜飼 養のための飼料として供給可能と推定することができる。 これらの数値から、オーガニック認定羽数が著しい伸びをみせるブロイラー 生産において2001年のオーガニック飼料が十分に供給されたかどうか分析してい る。前述の供給可能数量のうちブロイラー用飼料が占める割合を約11%と推定し 、飼料用オーガニックとうもろこし生産量が約100万ブッシェル(約25,401トン) 、大豆生産量が50万ブッシェル(約13,608トン)になるとしている。一方で、オ ーガニックブロイラー生産における1羽当たりの必要飼料量は、とうもろこしが 約0.14ブッシェル(約3.6キログラム)、大豆が約0.06ブッシェル(約1.6キログ ラム)と積算されることから、ブロイラー用オーガニック飼料から生産できるブ ロイラー羽数は 約730万羽になると推計している。これらから、2001年のオーガ ニック認定羽数が 約300万羽と比べると、ブロイラー用オーガニック飼料として 十分な供給量が確保されていたとしている。 また、他の家畜についても認定頭数 (肉牛約15,000頭、乳牛約49,000頭、豚約3,000頭 )に対しブロイラー用を除く オーガニック飼料供給可能量は十分であるとしている。 オーガニック飼料価格は通常飼料価格の2倍に達せず また、調査ではオーガニック飼料価格が通常の飼料価格に対してどの程度割高 となっているかについて飼料卸売業者へのアンケート調査を基に整理しており、 オレゴン州で通常価格の1.5倍、バーモント州で1.9倍などとなっており、地域に よるばらつきはあるものの、通常価格の2倍に達しない結果となった。 【ワシントン駐在員 道免 昭仁 7月23日発】
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