ALIC/WEEKLY

週報「海外駐在員情報」


平成15年7月29日号(通巻588号)


EU酪農の頭数規模は加盟国間に大きな差(full story)

◎ EU農相理事会、成長促進用抗生物質の飼料添加使用を管理する規則案を承認

【ブラッセル駐在員 関 将弘 7月23日発】 EU統計局は、99-2000年におけ
るEUの農家構造調査結果を先ごろ公表した。これによると、酪農家の飼養頭数
規模はイギリス(73頭)、デンマーク(57頭)、オランダ(47頭)の順に大きく、
オーストリア、ポルトガル、ギリシャは小規模であり、イギリスの8分の1から
6分の1の規模であり、加盟国により差が大きい。また、イタリア、ルクセンブ
ルグ、オランダでは、大規模酪農家に頭数が集中している。

米農務省、家畜用オーガニック飼料の供給状況を調査(full story)

【ワシントン駐在員 道免 昭仁 7月23日発】 米農務省(USDA)はこのほ
ど、2002年新農業法および2003年政府歳出予算法に基づき実施されたオーガニッ
ク認定を目的とする家畜(家きんを含む)に給与されるオーガニック飼料の供給
状況および通常飼料との価格差についての調査結果を公表した。報告では、ブロ
イラー生産においては2001年のオーガニック認定約 300万羽に対し、供給可能な
オーガニック飼料から生産できたブロイラー羽数が約 730万羽になると積算して
おり、オーガニック家畜用飼料として十分な供給量が確保されていたとしている。
また、地域によるばらつきはあるものの、オーガニック飼料の価格は通常の飼料
価格に比べ1.5倍から1.9倍であったとしている。

豪州、官民共同で中東向け生体家畜改善プロジェクトに着手(full story)

【シドニー駐在員 粂川 俊一 7月24日発】  豪州の生体家畜輸出をめぐって
は昨年の輸送家畜の大量死に端を発して、中東向けについて条件付きの暫定輸出
停止措置が実施されたが、豪州連邦政府のトラス農相とベール貿易相は7月18日
、政府と生体家畜輸出業界が中東と北アフリカにおける輸送家畜の取り扱いを改
善するためのプロジェクトに15万豪ドルを資金供給することを発表した。この資
金供給は、中東と北アフリカにおける生体家畜の取り扱いに関する設備や実践を
改善するために使われる予定で、輸出相手国との共同作業を通じた連携も視野に
入れたものとなっている。

官民あげての「食品安全の日」を開催(シンガポール)(full story)

【シンガポール駐在員 小林 誠 7月23日発】 シンガポール農産食品・獣医庁(AV
A)は7月18日から20日までの3日間にわたり、ショッピング・モールの一部を
会場に「食品安全の日」の博覧会を開催した。今回のキャンペーンは、97年の豚
ウイルス性脳症や急性重症呼吸器症候群(サーズ)の発生により、食品の安全性
に対する衛生上の関心が高まっていることを反映したものである。同国は、清潔
な国というイメージがあるが、市場や食堂街の裏側を見ると必ずしも衛生的とは
いえず、政府は市場の移設・再構築を示唆するなど管理を強化する意向も示して
いる。

ブラジル、牛の個体識別制度を改正(full story)

【ブエノスアイレス駐在員 犬塚 明伸 7月23日発】 ブラジル農務省は、2002年1
月に牛(水牛を含む)の個体識別制度(Sisbov)に関する規定を制定し、EU
向けに肉用牛を生産する農場は同年6月末までに当制度に登録することを義務
付けた。しかし、準備期間の不足等を理由に、Sisbov本来の目的にそぐわない
運用がなされたため、農務省はその運用に係る規定の改正を幾度か試みたが、
業界等の圧力により改正までには至らず、本年 7月15日から実施されることに
なった。主な改正点は、政府が公認するSisbovの証明書の発行は、と畜40日前
までに農務省のデータバンクに登録した牛のみに限定したことなどである。
元のページへ戻る