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防疫措置を緩和
EUでは、3月2日にオランダにおいて最初に高病原性鳥インフルエンザ (HPAI:家きんペスト)が確認された後、ベルギーおよびドイツでも発 生が確認されるなど、その被害が拡大した。しかし、各国の関係者の努力に より、新たな発生が確認されなくなり、被害は終息に向かうとみられている。 こうした中、5月28日に開催されたEUのフードチェーン・家畜衛生常設 委員会は、オランダ、ベルギーおよびドイツにおける鳥インフルエンザの発 生状況と防疫措置について検討を行い、EU委員会は同日防疫措置の一部緩 和等を発表した。概要は以下の通りである。 なお、今後の鳥インフルエンザに関する発生状況および防疫措置について は、6月13日に予定されている同常設委員会において再検討される予定であ る。 28日の常設委員会承認に基づく各国の措置 @ オランダ 病気の拡大防止および撲滅のため現在実施されている、生きた家きん、 種卵および家きんのふん等のEU加盟国および第三国への輸出禁止および オランダ国内における移動禁止を6月17日まで延長する(ただし、一定の 条件の下、種卵、初生びな、食用に出荷される家きんは、適用除外として いる)。 A ベルギー 生きた家きんおよび種卵の輸出禁止は、5月27日からアントワープ州・ リンブルグ州を除いて解除されたが、前記の2つの州に対する移動禁止措 置は6月11日に終了することとし、6月12日以降は監視区域(発生農家を 中心とする半径10キロメートル)のみで移動禁止措置が適用される。 B ドイツ 6月3日以降、移動禁止措置(ただし、一定の条件の下、種卵、初生び な、食用に出荷される家きんは、適用除外としている。)の適用区域をノ ルトライン・ヴェストファーレン州のライン川西岸とし、当該州の他の地 域からの生きた家きんおよび種卵の輸出は、同日以降可能となる。また、 上記の地域における措置については6月24日には終了し、6月25日以降は 監視区域のみで移動禁止措置が適用される。
被害の状況(5月19日現在)
オランダにおいては、3月2日に最初に鳥インフルエンザが確認されてか ら、252農場で発生し、約2,800万羽の家きんが殺処分された。しかし、4月 30日以降、新たな発生は確認されていない。 ベルギーにおいては、4月16日の発生以降、8農場で発生が確認され、約 300万羽が殺処分された。4月28日以降、新たな発生は確認されていない。 ドイツにおいては、5月9日に報告されたノルトライン・ヴェストファー レン州における発生のほか、新たな発生は報告されていない。 監視区域での追加措置 また、28日の同常設委員会では、監視区域においては、移動禁止措置が解 除されるまでの間に実施しなければならない追加措置を以下の通り決定した。 1 農家から動物のエサ、敷きわらおよびふん尿をすべて取り除き、処分しな ければならないこと。 2 発生農家における家畜の飼養再開前には、家きんなどの試験的な導入とウ イルス検査によって鳥インフルエンザが存在しないことを確認すること。
【ブラッセル駐在員 関 将弘 6月3日発】
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