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デンマークの豚肉輸出が好調


今年上半期は、前年同期比6.9%増
  デンマーク豚肉輸出機構連合(DS: 同国のと畜組合の上部団体)は先ごろ、
2003年上半期の同国の豚肉輸出量(製品重量ベース、生体を含む)を公表した。
  
  これによれば、2003年上半期の輸出量は87万7千トンと、前年同期比6.9%(5
万7千トン)増となっている。 輸出は、EU域内および域外ともに伸びているが
、域内への輸出が域外への輸出よりも大きく伸びており、前年同期比8.4%(4万
2千トン)増の54万6千トンとなった。特に、ドイツへは19.9%(3万3千トン)
増の20万トンを、また、イギリスへは12.6%(1万8千トン)増の16万トンをそ
れぞれ輸出している。

  ドイツに対する輸出が増加している要因としては、オランダにおける豚肉生産
が環境対策の実施等により減少していることから同国からのドイツに対する輸出
が減少しているためであり、また、イギリスへの輸出が増加している要因は、同
国内における豚肉生産の減少が続いていること等によるものと考えられる。

 
 
アメリカ向けが47.8%増

  EU域外の国への輸出を見ると、最大の輸出先であるわが国への輸出も伸びて
おり、前年同期比9.1%(1万2千トン)増の14万2千トンとなっている。また、
アメリカへは4万2千トンを輸出しており、47.8%(1万4千トン)増と大幅に
伸びている。アメリカに対する輸出が増加している要因としては、同国内での生
産が減少していること、同国からの日本への輸出が減少していないことによるも
のと考えられる。

  一方、昨年までは日本に次ぐ輸出先であったロシアへは、3万7千トンと前年
同期比35.9%(2万1千トン)減となっている。これは、ロシアが今年4月1日
から輸入関税割当制度を導入し、割当枠を2002年の同国の輸入実績(約60万トン
)の7割程度の水準に設定したことが直接の原因と考えられる。

デンマークからの1月から6月までの豚肉輸出量

 


◎ EU委員長WTO合意に向けたコメントを発表

 EU委員会のプロディ委員長は9月15日、メキシコカンクンでの世界貿易機関
(WTO)交渉の終了を受けて、「合意に達しなかったことは非常に残念なこと
である。EUは妥協に向けてベストを尽くしてきた。とりわけ途上国の要求を満
たすため努力をした。われわれはWTOの機能がより発揮できるようにする方法
を検討すべきである。EUは最終目的に向けて引き続き努力を続ける」とのコメ
ントを発表した。
【ブラッセル駐在員 関 将弘 9月17日発】

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