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2002年米・加乳業メーカー・ランキング発表


過去9年間で上位10社の販売額は増大 

  酪農関係の業界誌である「デーリー・フーズ」は先ごろ、2002会計年度の乳業メー
カー各社の販売額による上位100社を発表した。この調査が始まった1994年(1993年
度における乳業メーカー販売額調査)には、10億ドル(1,120億円、1ドル=112円)
を超える販売額を有する乳業メーカーは4社しかなく、上位10社の合計販売額も約100
億ドル(1兆1,200億円)であったが2002年度には、販売額が10億ドルを超える乳業
メーカーが20社となり、上位10社の合計販売額も約289億ドル(3兆2,368億円)に達
したとしている。この背景には、乳業メーカーの生き残りをかけた企業買収・合併に
よる再編、統合があるとしている。また、2002年度は、原料乳価格は低かったものの
低迷する国内経済により全体の乳製品消費が伸びず、上位4社の販売額はそれぞれ前
年度を下回った。概要は次のとおり。
上位3社の順位に変動なし

  昨年に引き続きディーン・フーズ社(本社:テキサス州ダラス)が、81億2千万ドル
(9,094億4千万円)で1位となっている。同社は、スイザ・フーズ社とディーン・フ
ーズ社が2001年12月に合併したものであり、販売額で2位以下を大きく引き離してい
る。今回は、合併後初の販売額の公表となったが、合併直後の2001年度(1月から12
月)の97億ドル(1兆864億円)に対し、約16億ドル(約1,792億円)減少した。同社
は、国内有数のチョコレート製品製造メーカーであるハーシーズ社と提携して乳飲料
分野への販路拡大を目指している。

  2位には、41億ドル(4,592億円)でクラフト・フーズ社(本社:イリノイ州ノース
フィールド)となった。企業再編、統合が多い中、30年以上同じ経営体で事業が継続
されており、チーズ、ヨーグルトなどを中心に消費者のブランド認知度は高い。

  3位には、28億9千9百万ドル(3,246億8千8百万円)でランド・オレイクス社
(本社:ミネソタ州アーデンヒル)となっている。同社は、酪農協同組合組織であり
、バター製品における消費者の認知度が高い。
 
  今年度は上位3社に順位の変動は無いものの、シュライバー・フーズが、前年比53
%増の23億ドル(2,576億円)を売り上げ、昨年の10位から5位に躍進した。同社は、
全米最大のクリームチーズ製造メーカーであるラスカス・フーズを買収したことと、
近年拡大するベーグルパンの需要により、これに付けるクリームチーズの売り上げが
増加したことがその要因としている。

 
◎ 2003年の生乳価格は本年並と予想

  米農務省(USDA)経済研究所(ERS)は9月17日、「Livestock, Dairy, and Poultry 
Outlook」において、2003年の生乳価格は、2002年の100ポンド当たり12.19ドル(キ
ログラム当たり30円、1ドル=112円)とほぼ同じ価格で推移するとし、97年から2001
年の5年間の平均に比べ2ドル下回ることになると予測している。また、今後も経産牛
頭数は減少を続け、2003年末の頭数は前年比0.4%の9,100千頭、2004年も前年比1.6
%減の8,950千頭になるとしている。一方、年間生乳生産量は、2003年が前年比0.2%
増の約1,700億ポンド(約77,110千トン)、2004年も前年比1.2%増の約1,723億ポン
ド(約78,154千トン)に達するとしている。


2002年度の上位10社


 

【ワシントン駐在員 道免 昭仁 9月24日発】

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