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新規加盟国の特例対象食品加工施設を大幅に追加


特例対象施設数約4割増

  本年5月1日、新たにEUに加盟する中東欧諸国等10カ国における、食肉加工施設や乳業施
設などの食品加工施設のうち、既にEUの基準に適合しているもの及び2003年4月に署名され
た加盟条約(Accession Treaty)で移行期間が認められている一部の施設(新規加盟国合計
で730施設)は加盟以降も生産を続けられるが、それ以外のものは、加盟後生産ができないこと
となっている。

  これに対し、EUのフードチェーン・家畜衛生常設委員会は4月15日、今回EU基準に適合
させるための移行期間を新たに認める食品加工施設の追加承認を行った。

  これにより、新規加盟国における407の食品加工施設に3カ月から1年間の移行期間が認め
られ、加盟後も生産を継続できることとなった。
 

製品は当該国内でのみ流通 

  欧州委員会によれば、今回新たに移行期間が認められた食品加工施設は、EUの衛生基準に
は適合しているが、その他のEU基準に適合させるためにもう少し時間が必要なものである。
また、EUのフードチェーン・家畜衛生常設委員会は、加盟条約において移行期間が認められ
ている施設のうち、適合のための作業が終了したもの・施設を閉鎖した131施設については、
移行期間が認められる対象施設のリストから除外することを認めた。
 
  今回の移行期間を認める対象施設の追加、削除により、移行期間が認められている新規加盟
国の施設は、合計で1,006施設であるが、これは新規加盟国にある合計12,000施設の約8%に
相当するものである。
 
  移行期間が認められた施設で生産される製品については、当該国内では販売が認められるが、
他の加盟国への販売はできない。また、移行期間が認められた施設で生産された製品が他の加
盟国で販売されることを防ぐため、EU基準に適合した施設で生産され、EU域内で流通可能
な製品と区別するための表示が行われることとなっている。

  

ポーランドが大宗

  移行期間が認められた合計1,006施設の内訳をみると、国別では大農業国であるポーランド
が721施設と、全体の7割以上を占めている。一方、施設の種類をみると、食肉関係が584カ所
と半数以上を占めており、続いて乳製品関係の214施設となっている。







【ブリュッセル駐在員 関 将弘 平成16年4月21日発】

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